知ってた?温泉・銭湯・スパの違い!入湯税がかかる温泉はどれ?
コト 2020.01.20 by G-lip E 編集部
一口に「温泉」といっても温泉地の温泉、銭湯、スーパー銭湯、スパとさまざま。どれも同じように感じる方も多いかもしれませんが、それぞれ泉質や特徴に違いがあります。
そこでこの記事では、それぞれの違いをわかりやすく解説。それぞれの違い理解し知識を深めることで自分に合った施設にこだわりを持って選んでみませんか?
また、一部の温泉で発生する入湯税の意味や、入湯税が徴収される温泉の種類についても合わせてご紹介。記事の後半では、都内でぶらっと銭湯に行きたい時に簡単に探せるサイトも掲載しています。
温泉には、草津や箱根、伊香保などのいわゆる「温泉地の温泉」と、自宅近くの銭湯やスーパー銭湯などの湯処といった「近場の入浴施設」があります。
この2つは混同されやすいのですが、泉質や滞在可能時間などが異なるものです。
まずは、「箱根や草津などの温泉地」と「近場のスーパー銭湯」の違いをわかりやすく説明します。
源泉から湧き出て指定成分を含むものが天然温泉
温泉の定義は「温泉法」によって定められており、地中から湧き出た温水やガスで「源泉の温度が25度以上」または「国が指定する19の成分のうち、1つ以上が基準値に達している」ものを指します。
条件を満たせば温泉を名乗ることができるため、「温泉のある銭湯やスパ」も増えています。しかし一般的には、自然の湧水を使った温泉地の入浴施設・旅館や公衆浴場などを温泉と呼びます。
温泉地の温泉では宿泊・日帰りのどちらでも、入浴後は部屋で過ごせることが一般的です。
また、「天然温泉」と「人工温泉」にも違いがあります。
天然温泉は源泉から湧き出す自然の成分を含んだ温泉で、人工温泉は温泉成分をお湯に加えた温泉です。
人工温泉として認められるには「天然鉱物由来のミネラルを含むこと」、「薬効があること」などの条件があります。
入浴効果の程度によって天然温泉・人工温泉かが決まるわけではないんですね。
水道水や井戸水を人工的に沸かしたものが銭湯やスーパー銭湯
銭湯は水道水や井戸水を浴槽に貯めて沸かし提供する施設で、「公衆浴場法」で「一般公衆浴場」という施設に分類されます。
一方スーパー銭湯は銭湯と同様の方法で湯を沸かすことがありますが、「その他の公衆浴場」と区別されています。また、温泉地の温泉施設とも異なり、スーパー銭湯や健康ランドには飲食店や娯楽施設、仮眠スペースなどがあることが多く、そこで1日を過ごすことも可能です。
しかし、銭湯が一般公衆浴場、スーパー銭湯がその他の公衆浴場として、法律によって区別されているのはなぜでしょうか。
温泉の「湯」について、もっと詳しく知りたい方はコチラから
一般公衆浴場とその他公衆浴場の違い
銭湯とスーパー銭湯はどちらも公衆浴場ですが、法律によって区別されています。
ここではそれぞれの違いと「なぜ区別する必要があるのか」という点をご説明します。
銭湯は一般公衆浴場に分類されるため料金が安い
一般公衆浴場である「銭湯」の入浴料は大人1人で280〜470円です。
日常的に利用しやすい安価な料金となっているのは、「物価統制令」によって料金に上限が設けられているためです。
物価統制令とは戦後、食料や物資が不足した時代に国民の生活を守るため定められた法律です。風呂のある家庭が少なかった戦後の時代には、銭湯は地域に必須と考えられていました。戦後の復興とともに価格統制の対象は徐々に減り、現在では銭湯だけが対象となっています。
価格統制のほかにも、銭湯として認められるには衛生基準や距離制限(ほかの銭湯との距離)を守らなければなりません。岩盤浴やサウナ、水風呂などの豪華な設備を設置する銭湯もありますが、入浴料の上限があるので設備は最小限としているところが多数です。
スーパー銭湯はその他の公衆浴場に分類され料金が高め
法律上で「その他の公衆浴場」に分類されるスーパー銭湯は、価格統制に縛られないため、運営会社が自由に料金を設定できます。
料金は銭湯よりやや高く、1,000円前後が一般的。銭湯よりも高くなってしまうのは、法律で縛られないぶん水道料金の優遇措置や税金の減免措置がないためです。
また、銭湯と比べて設備が充実しており、サウナや岩盤浴、あかすり、飲料水やドリンク・軽食の販売、食事処、仮眠スペースなどがあります。
特徴としては、半日〜1日ゆっくり過ごせること。最近では漫画読み放題サービスなどがあるアミューズメント感の高いスーパー銭湯も増えており、長時間いても飽きない施設となっています。
「スパ」とは水や自然で心と身体を癒す入浴施設
銭湯とスーパー銭湯の違いはおわかりいただけたでしょうか。
次は「スパ」についてお話していきます。
スパは公衆浴場法で「その他の公衆浴場」に分類されます。しかし、スーパー銭湯と同じかというとそうでもありません。では、スパとは何か、またどんな特徴があるのでしょうか。
必ずしも温泉ではない!スパはリラックス成分が含まれたお風呂
スパは海外で「温泉」を意味する言葉として使われています。
温泉成分を含まず、温度が低くてもスパとして認められ、浴場と付帯する施設やプログラムによって身体をリラックスさせることが目的の施設。
スパの語源はラテン語の「Salute Per Acqua(水の力によって治療する)」という言葉の頭文字をとったものとされており。日本でいう湯治のように、治療・療養を目的として造られたことがうかがえます。
日本でのスパは温泉成分の有無に関わらず、お湯にハーブやアロマなどリラックス成分が含まれていればスパを名乗ることができるため、エステサロンやホテル内、スポーツジムなど幅広い場所にスパが存在します。
また、普通の内湯のほかに岩盤浴やジャグジー、炭酸バス、プールなどがあり、水着で入れる施設も多くあるのが特徴です。
温泉で支払う入湯税ってなんのお金?どの施設はいくらくらい?
入浴施設によって、入湯税がかかる施設とかからない施設がありますよね。
入湯税がかかる施設では料金に入湯税が含まれていることも多いため、あまり意識したことがない方も多いかもしれません。
ここでは、入湯税のかかる入浴施設と入湯税の使い道をご紹介します。
入湯税とは?徴収される理由と使い道
入湯税は地方税であり、鉱泉(温泉)浴場を利用する入浴客に課される税金です。
環境衛生施設や鉱泉源の保護管理施設、消防施設などの整備、観光振興に必要な費用に充てる目的で使用されます。
温泉宿に宿泊する場合は1日150円程度、日帰り入浴なら30~100円程度です。12歳以下の子供は免税となります。
入湯税がどのような使い方をされているのか、神奈川県箱根町の実例を見てみましょう。
上記の内訳によると、入湯税は温泉施設を整備・清掃するための費用や温泉街に観光客を呼び込むための費用などに使われていることがわかります。
銭湯は免除され、スーパー銭湯は入湯税がかかることが多い
一般公衆浴場である銭湯は入湯税が免除されることが多く、スーパー銭湯は課税の対象となる場合が多いようです。また、スパでは料金に入湯税を含む施設と含まない施設があります。
都内の銭湯は東京銭湯マップで探してみよう!
仕事帰りや休みの日、急に銭湯に行きたくなったときは、都内の温泉が探せる東京銭湯マップを使うのがおすすめ。地域や営業時間、こだわりの条件などから簡単に探せるため、ふと思い立ったときにすぐ行きたい銭湯を見つけられますよ。
ライターからヒトコト
入浴施設には様々な種類があり、それぞれに特徴や独自の「よさ」があります。
特別感のある温泉街の温泉と、利用しやすい近場の銭湯やスーパー銭湯・スパなどを休日の長さやこだわり、お疲れ度などに合わせて選択すればより温泉が身近になり、生活を豊かに楽しめるようになるでしょう。
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