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Yシャツの襟はパリッと 毎日着るものだからこだわりを

モノ 2020.07.20 by g-lip E編集部

ビジネスマンの制服の一部でもあるYシャツは、襟周りや袖口、全体的なシルエットなどによって着る人の印象を大きく変えるものです。

 

Yシャツを選ぶ際に「色やデザイン、大まかなサイズくらいしか気にしたことがない」という方も多く、同じYシャツでも「サイズがあっていない」「うっすらと黄ばみが残っている」といった場合には、着る人の魅力を最大限引き出すことができません。

 

また、「Yシャツの選び方や手入れがよくわからない」という方も多いはず!

 

そこで今回も、お馴染みとなったパーソナルスタイリストとして活躍されるエレガントカジュアルの森井さんに、Yシャツが与える印象や選び方、手入れの方法などをお伺いしました。

 

意識をほんの少しだけ変えて、ピシッと決まったスーツ姿を手に入れましょう。

 

〈インタビュアー:イノウエ〉

 

Yシャツとネクタイバランスがビジネスシーンでの第一印象に

イノウエ

今回は、Yシャツとネクタイの合わせ方で、気をつけるべきポイントをお伺いできればと思います。

森井さん

Yシャツとネクタイを「合わせる」と聞くと色や柄に意識してしまいがちですが、襟の形とネクタイが、そもそも合わない組み合わせが多かったりするので、「襟の形とネクタイを合わせること」を意識すると良いですね。

イノウエ

なるほど、襟とネクタイを合わせ、バランスを見てから買うということですね。

森井さん

身体にぴったりのサイズを選ぶことが大切です。

喉仏がしっかり出ている人の中には、首回りに当たるシャツが気になって、首回りが広いものを選んでしまうことがあります。

イノウエ

ベストは指1本分が入るくらいといわれていますよね。

森井さん

そうですね。でも指1本分くらいではきつく感じる方が多いと思います。

首全体に襟が当たっている感じがするので、慣れないと苦しく感じることが多いんですが、首元が緩いものを選んでしまうと、ネクタイを締めたときにYシャツにシワが寄ってしまうので、ダサくなってしまうんです。

イノウエ

首元は、辛くても少しキツめを意識すると、ビシッと決まりそうですね。

森井さん

そうですね、襟周りは顔に近い部分なのでYシャツのサイズで印象が大きく変わります。

「ネクタイの緩みは気の緩み」ともいわれるように、印象を左右しますからね。

本名:森井良行(もりい よしゆき)会社員経験を経てパーソナルスタイリストとして独立。現在は一般社団法人「服のコンサルタント協会」会長を務める。4500人の服選びに同行し、ファストファッションからハイブランドまでを上手に取り入れた「着こなしのメソッド」を確立した。最新の著書は『38歳からのビジネスコーデ図鑑: 真似するだけで印象が劇的によくなる』。

イノウエ

では太ったり痩せたりして、体型が変わってしまった場合にはどうしたら良いですか?

森井さん

しょうがない、買い直しましょう(笑)。Yシャツは直接肌に触れるもので、ヨーロッパでは「下着」という認識もあります。

清潔という意味でもYシャツは消耗品として考え、普段からあまり高額なYシャツを選ばなくて良いと思います。

Yシャツあるあるは、これで解決

イノウエ

最近は形状記憶と呼ばれるYシャツが人気ということで、僕も最近購入したんですが、形状記憶のYシャツ、森井さん的にはどうですか?

森井さん

形状記憶のYシャツは今まさに脚光を浴びていますね。ただ現代のビジネスシーンでは、昔ながらの天然素材のウールスーツと化学繊維のハイスペックなスーツに大きく分かれます。

形状記憶のYシャツの多くはポリエステルなので、化学繊維特有の光沢感があって、それを天然繊維のウールスーツに合わせたときに安っぽく見えてしまうことが懸念点になってきます。

イノウエ

たしかに形状記憶のYシャツはよく伸びるから着やすかったり、独特の質感がありますね。

森井さん

実は形状記憶と呼ばれるYシャツには「形状記憶」と「形態安定」の2種類あって、大半が「形態安定」のYシャツになります。

僕らが「形状記憶」シャツだと思っているものは厳密にいうと「形態安定」のYシャツであることがほとんどなんですね。

イノウエ

「形状記憶」のYシャツは何が異なるんでしょうか。

安定と、記憶だから、価格が変わってくるとかですか?

森井さん

実は、形状記憶の方が安っぽく見えたり、色も白しか無く、質感が異なるんです。

なので、形状記憶のシャツを着る場合は、形状記憶の質感と近い形状記憶のスーツに合わせるのが良いと思います。

イノウエ

なるほど。ネクタイもスーツも、「質感」が非常に重要なんですね。

Yシャツの手入れは、自宅でアイロンかクリーニングに分かれると思うんですが、どちらが良いんでしょうか。

森井さん

実は僕、アイロンがけが下手なので、すべてクリーニングに出しています(笑)。

イノウエ

「上手」の基準がすごく高そうです…。

森井さん

僕は、クリーニング屋さんの基準だと思っています。

クリーニング屋さんはやっぱりプロなので、「今日は形が変だな」ということがないんですけど、自分がアイロンをかけると、折り目が変わってしまうことがあると思います。

イノウエ

たしかに、自分ではクリーニング屋さんのように形を作るのは難しいですね。

汚れや黄ばみに対して、蓄積させない為にできることはあるんでしょうか。

森井さん

黄ばみ汚れの原因は皮脂汚れなので、クリーニング屋さんでも通常の洗い方では落ちないことがあります。

なので僕は、家で漂白剤をかけてからクリーニング屋さんに持っていくことが多いですね。

イノウエ

サラリーマンでひとり暮らしをしている方だと、仕事終わりにクリーニング屋さんに行けない方も多いと思うので、月曜から金曜まで使う5枚分のYシャツをローテーションして、週末にクリーニングに出すって方法が良さそうですね。

森井さん

すごく良い方法だと思います。

仕事ができるビジネスマンはYシャツを10枚持っていると聞くこともあるので、恐らく彼らも同じ方法でローテーションしているかもしれませんね。

オーダーメイドシャツの魅力 パーソナルスタイリストが勧めるYシャツつくり

イノウエ

まだまだ着ることはできるけど、襟や袖の汚れが落ち切らないYシャツはどうすれば良いでしょうか。

森井さん

そのYシャツを「どうしても長く使いたい」という場合には、襟と袖だけリペアしてもらうこともできるんですよ。

イノウエ

Yシャツも部分的に交換できるんですね!

でも、今の時代、新しく買った方が早くて安く買い直すことができると思うんですが…。

森井さん

仰るとおり(笑)。

ハイブランドの1枚4万円とかするYシャツでなければ、新たに買った方が安いです。

イノウエ

数万を超えてくると、さすがに消耗品とは思えないですね。

森井さん

なので、僕も4万円のシャツには手を出しません。

ただ仕事柄気分を上げていきたいという気持ちがあるので、僕は、1万円台〜2万円のシャツを選ぶことが多いですね。

 

森井さん

1万円程度でオーダーシャツを作れると聞いたこともありますが、体型が変わらないことを前提とした時、オーダーシャツの方が良いんでしょうか?

森井さん

オーダーシャツは自分の体型に合わせることができるので、既製品が体型に合わない方はオススメです。それに、オーダーシャツの最大の魅力は、ネームや刺繍を入れてオリジナル感を出せること。

僕は以前オーダーした時に犬のロゴを刺繍で入れてもらって、今はそれが会話にきっかけになることも多いので、折衝の機会が多い方は、相手との会話を膨らませることができるかもしれませんね。

イノウエ

ちょっとしたロゴによって、会話のきっかけが生まれるんですね。

森井さん

また、Yシャツにポケットがあるのは当たり前と思っている人が多いと思います。しかし、ヨーロッパでは「下着にポケットがついているのはおかしい」という考えもあり、僕がYシャツをオーダーする時は、ポケットを外すこともあります。

イノウエ

実用性かお洒落、どちらを選ぶかって用途によるところですね。

既製品でも可能 クールビズでのYシャツでやるべきオプション

イノウエ

せっかくオーダーシャツを作るのであれば、やったほうがオプションや選び方のコツなんかはありますか?

森井さん

クールビズの季節になるとYシャツで歩く機会も多くなるので、クールビズであればスナップボタンを付けて、ノーネクタイでも襟が安定するようにするのが良いですね。

ボタンを閉めた状態で、ネクタイが浮いてしまうのを防げますよ。

イノウエ

クールビズでも襟周りがピシッとしているだけで、全体の印象が変わって見えるので、ぜひ取り入れたいですね!

今日はありがとうございました。

まとめ

スーツの内側に隠れてしまうYシャツは、普段はほとんど意識することがないかもしれません。しかし、森井さんのお話からはYシャツはネクタイやスーツの「前段階」にあたる重要なアイテムということが伝わってきました。

 

毎日袖を通すYシャツへの考え方を変えれば、スーツ姿・Yシャツ姿がビシッと決まるスタイルになりそうです。

 

Yシャツに少しこだわりを持つだけで、ワンランク上の男性にクラスアップできるかもしれません。

 

<ライティング/わたやみき>

<編集/イノウエ>

<撮影/九鬼>

今回の取材にご協力いただいたショップ【TOKYOTAILOR】さん 「今までに着たことがない最高のスーツ」であり、「着る人の魅力を最大限に引き出すスーツ」を提供する。「メイドインジャパン」と品質・着心地・シルエットにこだわり続けるのは、着る人のことを第一に考えている。渋谷区千駄ヶ谷に店舗を構え、来店に加え会社・自宅への訪問も行われています。
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