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ネクタイ選びに自信を TPOに合わせた自分を輝かせるコーデの基本 

コト 2020.07.27 by G-lip E編集部

「来週の結婚式、何を着て行けば良いのだろう…」

「正装の場面ではコーディネートに迷い、結局いつも同じセットになってしまう」

 

こうした悩みはかつて女性のものと思われていましたが、今や男女共通のもの。

様々な立場の人が訪れる冠婚葬祭のシーンでは、服装に迷ってしまうことが多いと思います。

 

自分を輝かせるコーディネートを知ることは、堂々とした立ち振る舞いや自信に繋がり、良好な人間関係を築くきっかけや、新たに出会う人に良い印象を与えることもできます。

 

前回に引き続き、パーソナルスタイリストとして活躍されるエレガントカジュアル代表の森井さんに、冠婚葬祭や就職活動、人生において避けては通れないTPOごとのネクタイ選び、コーディネートについてお伺いしました。

 

今より質の高いコーディネートができるようになる為のヒントが満載!ぜひ参考にしてみてください。

 

 

〈インタビュアー:イノウエ〉

ネクタイ合わせの基本は、周りの質感に合わせること

イノウエ

前回はビジネスシーンでのネクタイの選び方をお話いただきました。

今回は、冠婚葬祭や就活でのネクタイ選びいついて教えてもらいたいと思います。ネクタイの色を組み合わせるコツはなんとなく掴めた気がするんですが、質感も同様に重要ということでしょうか。

森井さん

質感の違いは重要ですね。ジャケットかパンツの質感を基準にネクタイの質感を選んであげるんです。

例えば、ざらっとした質感のジャケットに対し、ツルッとした質感のネクタイだと、色が合っていても浮いてしまうことがあります。なので周りの質感を意識して揃え見るのがオススメです。

森井さん

僕のセミナーには、既にカラーコーディネートの勉強している方や、とてもお洒落な方も来てくださるんですが、「質感を合わせることが重要」いうと「だから(色に気を使っているのに)合わなかったんだ!」と仰られることがあります。

「色合いや柄はいいんだけど、何かが違う」って思った時は質感を疑ってみるのが良いと思います。

イノウエ

なるほど、これはネクタイ以外でも同じ違和感を感じるものなんでしょうか?

例えば、ジャケットとパンツの質感の違いですね。

森井さん

同じですね。イメージしやすいのは女性が着るような「ドレス」で、滑らかで光沢がある質感だと思います、反対にカジュアルな質感はザラっとしている特徴があります。

これがコーディネートの中で組み合わさった時に、質感の差が大きいとそれが違和感に繋がってしまうんですね。

イノウエ

なるほど。違和感を感じるのは、感覚的なものなんでしょうか。

森井さん

そうですね、質感があまりに違うと「水の中に油がある」ように目立つので、違和感を抱くんだと思います。

イノウエ

部屋着のようなカジュアル感にピッカピカの革靴を合わせると違和感みたいな…。

森井さん

それぞれが良くても質感に差があると、違和感が出ちゃうんです。

結婚披露宴での服装が変化 時代と共に進むウエディングのカジュアル化

イノウエ

普段のコーディネートでは質感を意識するのがポイントとのことですが、以前、僕が結婚披露宴に参加した時、参加者のドレスコードがカジュアル化しているように感じました。

結婚式での服装は、年々変化しているということでしょうか?

森井さん

2000年代初頭までのウェディングはホテルで行うのが一般的だったので、男女ともにフォーマルが基本でした。

今はガーデンウェディングやレストランウェディングなど硬すぎない雰囲気を好み、式を挙げる方も増えていることもあって、結婚式自体がカジュアル化してきていますね。

イノウエ

つまり、参加する際の服装選びで、外さない服装を選ぶには、何に着目すれば良いんでしょうか?

森井さん

女性の参加者の方はホテルや、チャペルなど会場に合わせて服装を選ぶ方もいらっしゃいますので、男性も招待された会場に注目するといいと思います。

イノウエ

なるほど、招待会場のイメージが硬すぎないのであれば、ネクタイの色とか、スーツの明るさとか「いわゆるNGな服装」を特に意識する必要もなさそうですね。

森井さん

新郎新婦より目立たない、「お祝いする側としてふさわしい格好」というスタンスでいれば大丈夫ですね。

例えば、黒ネクタイは年配の方にとって「喪に服す」というイメージがあるので、誤解されてしまう恐れがあります。
お祝いの場は楽しめても、後に「新郎新婦のご両親に悪いイメージを持たれていた」となってしまうのは避けたいです。

イノウエ

たしかに、一生に一度の場面なのでしっかりと祝ってあげたいですね。

ちなみに、昔の結婚式と比べ変化してきたのは、具体的にどんなところでしょうか?

森井さん

僕らの若かった時代はシルバーグレーかシャンパンゴールドのネクタイに、白シャツというのが定番でした。

でも今のネクタイは明るく光沢のあるもので、シャツは白のほかにサックスブルーやパステルカラーならOKというところも多くなっていると思います。

イノウエ

カジュアル化が進んでいるところですね。

Yシャツでダーク系の色はどうでしょうか。ワインレッドとか着ている方を見ると、少し違和感を感じる方がいると思います。

森井さん

ダーク系のシャツはハードルが高いですね。

レストランウェディングなら良いと思いますが、ホテルウエディングでは浮いてしまうかもしれません。

イノウエ

招待される会場によっても、ふさわしいい色選びが異なってくるということですね。

葬儀でのネクタイ選び 結び目のディンプルは作らない方が良い

本名:森井良行(もりい よしゆき)会社員経験を経てパーソナルスタイリストとして独立。現在は一般社団法人「服のコンサルタント協会」会長を務める。4500人の服選びに同行し、ファストファッションからハイブランドまでを上手に取り入れた「着こなしのメソッド」を確立した。最新の著書は『38歳からのビジネスコーデ図鑑: 真似するだけで印象が劇的によくなる』。

イノウエ

結婚式で毎回迷っていた服選びの悩みが晴れてきました!

では、葬儀に参加する際のネクタイについてもお伺いしたいです。恥ずかしながら「光沢のないものを選ぶ」くらいの認識しか無いのですが…。

森井さん

完全に無光沢のネクタイはほとんど存在しないんですが、光沢があまりに目立つものは避けた方が良いですね。

イノウエ

そうですよね。黒でも柄は無地が相応しいんでしょうか。

森井さん

少し模様が入っているものでも大丈夫ですよ。急に葬儀に行くことになり、途中にネクタイを買うこともあるかもしれませんが、その場合でも織りが少し入っていることが多いのでそれでも大丈夫です。

イノウエ

柄の許容範囲はどのあたりなんでしょうか…。

明確な基準があったりしますか?

森井さん

ネクタイから、2〜3メートル離れたときに柄が目立たなければOKです。

イノウエ

それはわかりやすいですね!

森井さん

ちなみに、ネクタイの結び目ディンプルは、作ると影ができ光ってしまう原因になるので、できれば作らない方が良いと思います。

リクルートスーツのベーシックカラーは【ネイビー】 それでも黒が選ばれるわけ

森井さん

そういえば、僕の時代のリクルートスーツといえばネイビーが主流だったんですが、今の時代は黒が主流になっていますよね。

イノウエ

確かにそうですね!

僕も特に違和感を感じることなく黒を選びましたけど、今の就活生も黒じゃないとダメだって思っていると思います。

森井さん

90年代は黒に近いダークネイビーがリクルートスーツの定番だったんですけどね。ネイビーカラーのスーツはグラデーションができるのがの良いところで。

ダークネイビーやグレイッシュネイビーなどと組み合わせれば、紺色の中でも変化をつけられるので、自分に似合う色を見つけやすいメリットもあるんですよ。

イノウエ

確かに同じ「ネイビー」でも濃さや明るさでイメージが全然変わってきますね。

でも、今はなぜ黒が選ばれるんでしょうか?

森井さん

可能性としては、黒が締まって見えるからではないでしょうか。

イノウエ

ネイビーより、黒の方がスリムに見えるということですか?

森井さん

ダークネイビーと黒だったらあまり変わらないと思います。

でも黒は、無彩色なので合わせる色の選択肢が狭く、組み合わせに迷わない、悩まないから「簡単」というイメージがあると思います。

森井さん

後は、黒いスーツに合う色のYシャツが限られるんですよね。ビジネスマンが着るYシャツの色は、白か薄い青、薄いピンクが多いですが、黒いスーツは本来「白」しか合わない色なんです。

イノウエ

突飛推しなことをいうと、リクルートスーツでネイビーを着たら、浮いてしまうことはありますか?

森井さん

目立ちはしますが、面接官で年代が上の方はネイビーの方が目が慣れていると思います。僕の仕事で、買い物同行を依頼された時に、リクルートスーツを選んでくださいと依頼を受けた場合、ネイビーのスーツを選びますよ。

イノウエ

同世代に対してはちょっと鼻が高くなる感じですね。

森井さん

「なんでネイビー着てるの?」と聞かれたときに理由を説明できると、それもまたかっこいいですね!

まとめ

今回は、冠婚葬祭・リクルート活動でのスーツ・ネクタイの着こなしについて詳しくお伺いしました。

森井さんが大切にする「質感」を意識すると、不思議と毎日の服選びも少し上手になったような気に。

質感は色やデザイン以外よりも注目しにくい部分です。ネクタイのコーディネートを通して、仕事やプライベートと同様に「目立たない部分こそ大切なのかもしれない」ということに気づかせていただきました。

 

 

〈ライティング/わたやみき〉

〈編集/イノウエ〉

〈写真/刀根〉

今回、撮影場所のご提供いただきました『THE SUIT COMPANY 』さん
スーツのユニフォーム化を否定し、着る人に合ったスーツを手頃な価格で提供するTHE SUIT COMPANY。「いく、だけ」としてまったく選ぶ必要のないオーダーメイドスーツや、裾丈の長さを調整可能な試着不要なパンツなど斬新なビジネスファッションを次々に発信している。2020年7月現在、全国に52店舗を展開中。
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