デスクワークが中心となるビジネスマンは、肩こりや腰痛、眼精疲労などに悩む人も多く、身体的な慢性疲労は、精神的な疲労やうつ病など心身の不調へと繋がることもあるため、上手に付き合っていく必要がありますよね。

その疲労回復に効果があるとされる身近なものでは、「温泉」を考えることができます。

「温泉に入るのは好き」という人は多いですが、温泉がなぜ疲労回復に効果があるのかを理解している方は少ないのです。

そこでこの記事では、温泉の泉質10種類の特徴や効能を紹介し、東京から2時間程度にある、疲労回復に効果的とされる泉質に入浴できる温泉施設も紹介します。

忙しい毎日の疲れを効果的に癒すためにも、温泉の泉質にこだわってみませんか？

椅子に座りパソコンなどの作業をしているだけなのに、長時間でなくとも、全身に疲れを感じたり、目疲れなどの疲労を感じることがあると思います。
実はデスクワークには、首や肩、腰などの筋肉にも負担がかかりやすく、運動をしたときのような疲労を感じるとされているんです。

デスクワークの疲れは、主に肩こりや腰痛、関節痛などに現れ、その疲労の蓄積が続いてしまうと、不眠やうつ状態などの症状を引き起こすこともあるんです。

そこでここからは、温泉の10種の泉質と効能、代表的な温泉地をご紹介します。

肌ざわりがやさしく、多くは無色無臭で刺激が少ない泉質です。日本で1番多い泉質であり、子供から高齢の方まで入りやすいことが特徴です。

効能が期待される疾病など：関節痛、不眠症、うつ状態、自律神経不安定症
代表的な温泉地：箱根温泉（神奈川県）、鬼怒川温泉（栃木県）、伊香保温泉（群馬県）、下呂温泉（岐阜県）

日本の温泉には比較的多い泉質であり、無色無臭ですが口にすると塩辛さを感じます。入浴後も肌に成分が残り汗の蒸発を防ぐため、保温効果が高く湯冷めしにくいことも特徴です。

効能が期待される疾病など：関節痛、うつ状態、きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
代表的な温泉地：湯河原温泉（神奈川県）、熱海温泉（静岡県）、伊東温泉（静岡県）、奥飛騨温泉（岐阜県）

肌の角質や毛穴の汚れを取り除き、なめらかに整える効果があるため「美肌の湯」とも呼ばれる女性人気の高い泉質です。お湯に入ったときに清涼感を感じることも特徴で、夏場にもおすすめ。独特な薬臭や金気臭がすることもあります。

効能が期待される疾病など：関節痛、きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
代表的な温泉地：塩原温泉（栃木県）、小谷温泉（長野県）、赤倉温泉（新潟県）、養老渓谷温泉（千葉県）

保温効果が高く湯冷めしにくい泉質で、含有成分の陽イオンの種類によっては焦げたような独特な匂いを感じる場合もあります。湯上りは肌が乾燥することもあるため、保湿を行いましょう。

効能が期待される疾病など：関節痛、うつ状態、きりきず、末梢樹幹障害、冷え性、皮膚乾燥症
代表的な温泉地：塩原温泉（栃木県）、水上温泉（群馬）、箱根強羅温泉（神奈川県）、河津温泉（静岡県）

炭酸が溶け込んだ泉質で、入浴すると肌に気泡が付着します。二酸化炭素泉はヨーロッパでも療養泉として利用されてきましたが、日本では珍しい泉質。炭酸ガスにより血行不良の改善が期待され、体が温まりやすい効果があります。

効能が期待される疾病など：関節痛、冷え性、自律神経不安定症、きりきず
代表的な温泉地：稲子温泉（長野県）、湯屋温泉（岐阜県）

鉄分を含む泉質で、茶褐色なお湯の色と鉄の匂いが特徴です。湧き出たばかりの含鉄泉は無色透明ですが、空気に触れると鉄分が酸化してお湯の色が変わります。貧血や月経障害、更年期障害にも効果が期待されるため「婦人の湯」とも呼ばれています。

効能が期待される疾病など：関節痛、鉄欠乏性貧血症（飲用）
代表的な温泉地：土浦温泉（茨城県）、五色温泉（群馬県）、長良川温泉（岐阜県）

殺菌効果のあるお湯で、入浴をすると肌がピリピリとした刺激を感じることが特徴。刺激があるため長時間の入浴は避け、あがり湯やシャワーで体を流しましょう。お湯の酸性度が高いため、少し刺激臭がします。

効能が期待される疾病など：関節痛、アトピー性皮膚炎、尋常性汗乾癬、耐糖能異常（糖尿病）、皮膚化膿症
代表的な温泉地：草津温泉（群馬県）、万座温泉（群馬県）、大涌谷温泉（神奈川県）

よう素を含んだ温泉で、茶褐色～黄色みがかった色と薬臭が特徴です。強い殺菌作用と酸化力があり、飲むことで高コレステロール血症への効能が期待できます。ただし甲状腺機能亢進症の方はよう素の摂取を避けたほうがいいため、含よう素泉への入浴も注意が必要です。

効能が期待される疾病など：関節痛、高コレステロール血症（飲用）
代表的な温泉地：白子温泉（千葉県）、前野原温泉（東京都）

硫黄泉の中でも硫化水素を含むお湯は、たまごが腐ったような独特の匂いがします。硫化水素を含む硫黄泉を訪れる際は、匂い移りに注意が必要。殺菌効果が高く肌への刺激もあるため、あがり湯やシャワーで体を流してから上がりましょう。

効能が期待される疾病など：関節痛、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症、抹消循環障害（硫化水素型のみ）
代表的な温泉地：日光湯元温泉（栃木県）、塩原温泉（栃木県）、万座温泉（群馬県）、秩父温泉（埼玉県）、芦ノ湯温泉（神奈川県）

放射能というと怖い印象があるかもしれませんが、放射能泉に含まれるラドンはごく微量で、体内に入ってもすぐに放出されるため心配ありません。放射能泉には免疫力をあげる効果があり「万病の湯」とも呼ばれています。

効能が期待される疾病など：関節痛、関節リウマチ、高尿酸血症（痛風）、強直性脊椎炎
代表的な温泉地：増富温泉（山梨県）、名栗温泉（埼玉県）、奈女沢温泉（群馬県）

10種類の泉質についての効能は上記で説明した通りですが、実際に入浴できる施設は「どこなの？」という疑問を解決するべく、日帰り旅行もできる2時間程度の移動時間で、上質な天然温泉に入浴できる施設をご紹介します。

首都圏からもアクセスしやすい人気の温泉地・箱根の中でも珍しい、鉄分が多く含まれた温泉。鉄分以外にもカルシウム、ナトリウム、マグネシウムがバランスよく混合されており、「温泉の女神の見事な調合」といわれているこだわりの泉質が自慢。
神経痛、筋肉痛、関節痛などデスクワークの疲れで起こりやすい症状にも効果的。大浴場、露天風呂に加えて貸切風呂もあるため、大切な人とのプライベートな時間を過ごしたい人にもぴったりですね。
ホテルの周辺には、箱根の歴史を感じる関所や資料館、また数々のアートが楽しめる美術館などもあります。

豊富な湯量を誇る源泉を、敷地内に持つ湯河原温泉の大滝ホテル。泉質は冷え性やうつ状態に効能を持つ硫酸塩泉。深さ約70cmの浴槽があるこだわりの露天風呂は、手足を伸ばしてゆったりと入れるため、肩や背中を伸ばしながらリラックスできますね。
大自然を感じられる露天風呂で、のびのびと体を伸ばしながら日ごろの疲れを癒やしてみるのはいかがでしょうか？ホテル周辺では、湯河原の自然を感じられる自然公園や滝なども楽しめます。

富士山を望む絶景のパノラマがこだわりの日帰り温泉。露天風呂からみえる雄大な景色は、ほかではなかなか味わえません。館内では16種類ものお風呂が楽しめ、肩こりにも効果的な血行不良改善作用のある炭酸泉に入ることができます。
源泉は湯冷めしにくく、うつ状態にも効能がある塩化物泉で、疲れた体もポカポカと温まります。お風呂のほかにもお食事処やリラクゼーションもあるため、1日中ゆっくりと楽しめる日帰り温泉です。

国の有形文化財としても登録されている建物は、100年以上の歴史があるレトロな雰囲気。木造建築のあたたかみが感じられる館内は、明治、大正期の温泉宿の面影が感じられるこだわりの空間です。
日帰り温泉では、源泉かけ流し単純泉に入ることができます。2種類の温度に分かれており、一方は28℃のひんやりとした源泉をそのまま使用した湯舟、もう一方は加温をしたあたたかな湯舟。
旅館の周辺ではフルーツ狩りやワイナリーも楽しめるため、都内からの日帰り旅行にも最適なスポットかも。

都内からもアクセスのよい熱海温泉では、冷え性やうつ状態、腰痛などデスクワーク特有の疲れにも効果的な塩化物泉が堪能できます。大月ホテル和風舘は、熱海でも有数の広さをほこる日帰り温泉。樹齢300年の銘木を使った露天風呂では、リラックス効果のある天然木の香りが日ごろの疲れをいやしてくれます。
大月ホテル和風舘では、日帰り温泉とお食事がセットになったプランもあります。老舗旅館の本格料理とリラックス効果の高い温泉を、まとめてこだわりたい人はぜひチェックしてみてください。

忙しく働くビジネスマンは、知らず知らずのうち全身に疲労が溜まっていることもあります。肩や背中のだるさや倦怠感は、毎日のデスクワークが原因のひとつです。

週末は、手軽に疲労回復できる日帰り温泉を訪れてみるのはいかがでしょうか？
毎日がんばっている自分へのご褒美として、パートナーや家族と一緒に温泉でストレス解消をすれば、仕事の効率もさらにアップするかもしれませんよ。