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ネクタイはかっこいい ノータイの今だからネクタイにこだわりを

コト 2020.07.16 by G-lip E 編集部

ビジネスシーンでは年々カジュアル化が進み、ダークスーツにネクタイが主流だった時代と比べると、日々のコーディネートに悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。


そんな時、オススメなのはネクタイでコーディネートに変化をつけることです。

 

ネクタイの結び方では、普段と異なる結び方や、シーンやセットアップに合わせたネクタイの色・柄の選び方を、パーソナルスタイリストとして活躍するエレガントカジュアルの森井さんにお伺いしました。

 

ネクタイのコーディネートやシーンにあった色使いなど、簡単なお役立ちワザもあり、今日から取り入れられる内容が満載です。

 

〈インタビュアー:イノウエ〉

パーソナルスタイリストが勧めるネクタイの選び方

イノウエ

最近は電車の中や、駅の構内でスーツにネクタイを結んでいる人が少なくなったように感じるのですが、ビジネスシーンにおいて、ネクタイはあった方が良いんでしょうか?

森井さん

そうですね。今はクールビズやオフィスカジュアルなどネクタイをしない文化になりつつありますが、ネクタイは本当に重要なアイテムですね。

ネクタイとスーツは切っても切り離せない、基本セットですから。

イノウエ

今はその基本が、忘れられつつありますよね。
森井さんはネクタイありとなし、どちらを推奨していますか?

森井さん

僕はネクタイ推奨派です。ジャケパンでもスーツでもネクタイはしたほうがいいと思います。ただし、クールビズでノージャケットのときはバランスが悪くなってしまうので、剣先が柔らかい形のニットネクタイをつけるとか、工夫は必要ですね。

イノウエ

ニットのネクタイは僕も使ってますが、カジュアル感が良いですね。
選び方や着こなし方で気をつけた方が良いところはありますか?

森井さん

スーツの場合はシルクの滑らかなネクタイ、ジャケパンの場合は普通のネクタイでも少し荒い質感のネクタイを選ぶと良いですね。上着のドレス感に合わせてネクタイの質感を変えるとしっくりくると思いますよ。

イノウエ

服装とネクタイの質感を合わせることは意識したことがありませんでした。
でも、考えてみれば素材の感触が揃っていると、統一されてる感じがしますね。

ペイズリー柄はセンス ソリッドカラーに合わせスーツを選ぶ

イノウエ

ペイズリー柄のネクタイは最も合わせづらく、着こなしに関しても難しく感じるんですが…。

初心者でもお洒落に見せるコツはありますか?

森井さん

ペイズリー柄は着る人のセンスが必要ですね。

とはいえ、その分センス良く見せれるのもペイズリー柄なので、着こなしをマスターすればお洒落に見せることができると思います。

イノウエ

そのセンスは磨けるものなんでしょうか(笑)。

森井さん

僕は磨けると思っています。ペイズリー柄を見て、それ自体が「気持ち良い柄かそうでないか」という判断をたくさん繰り返すことで、センスは養われると思います。
ペーズリー柄以外のネクタイでも、「柄として」見たときに「美しい」と思えるものを選ぶと良いです。

イノウエ

なるほど。僕はこれまで、柄よりも「色」を優先して選んでいたかもしれません。

森井さん

ただ配色が「好き」なだけじゃなくて、それが「美しい」と思えるかどうか。ネクタイという枠を取り払って、「色の組み合わせ」として見たときに「部屋に飾ってもいいかな」とイメージして選んでみるんです。

イノウエ

なるほど。それだけ、その柄が心地よいかという視点で考えるんですね。
でも、全体のうちの一部の色が「嫌だな」と感じて、全体に対して印象が下がってしまうことがある人もいると思います。

森井さん

それが「見ていて気持ち良くない」ということだと思います。つまり心地悪い感じですね。
そうなると、自分目線だけだと判断が難しいので、他人目線で考えると良いですよ。
例えば、彼女に「このペイズリー柄って見てて気持ち良い?悪い?」って聞いてみたり。

イノウエ

彼女のセンスが良ければ、自分のセンスも磨かれますね(笑)。

森井さん

セカンドオピニオンとして答えてくれる人は、どんな環境であれ大切です(笑)。
例えば、ネクタイの自社製品に対して「柄が気持ち悪い」とか、お店の店員さんはまずいわないですから。

イノウエ

本音を聞くという意味で、中立な立場からの意見は貴重ですね。
ソリッド(無地)カラーでは何種類ほど、持っていれば良いでしょうか?

個人的には、毎度同じカラーのネクタイを買ってしまう傾向にあって困っています…。

森井さん

ソリッドカラーはよく使いますね。紺とこげ茶は、ダーク系で何にでも合わせられますよ。カラフルなものではオレンジ、ピンク、ブルー、水色とかもいいですね。

森井さん

個人的に使いやすいのは青系の水色です。青は誠実なイメージ、水色は爽やかなイメージで、青みが強いと外資系っぽいイメージになったりすると思います(笑)。

イノウエ

青系はいくつ持っていても便利な気がします。逆に黄色やオレンジ、暖色系が合わせにくかった経験があります。

森井さん

黄色はハードルが高いですね。アニメのキャラクターっぽくなってしまいやすいです。でもオレンジは、エルメスのイメージが強いので全然ありだと思います。鮮やかな色にはライトネイビーのスーツや、鮮やかなスーツの組み合わせが合いますね。

イノウエ

となると最低2、3種類のソリッドカラーを持っていた方がいいですね。

森井さん

紺・こげ茶で1種類、青・水色で1種類、その他の好きな色で1種類。3種類カラーを持っているだけで、全く違った印象のコーディネートができると思います。

イノウエ

緑と青はなんとなく、近い色のように感じますが違うものなんでしょうか。

森井さん

実は、緑はハードルが高い色なんですよね。制服に使われていることも多く、スタイリッシュに見せにくいんです。

ただ緑や黄色は、3ピースのセットアップであればバランスよく見せられる特徴もあり、ベストがあるだけでカラフルな色にも挑戦しやいと思います。

イノウエ

もし、「買ったネクタイが、失敗したな」と思ったら…。

森井さん

3ピースで合わせてみてください(笑)。

1日中緩まない結び目はセミウィザーノット ディンプルも綺麗に作る

イノウエ

朝の出勤時は、ネクタイを結んだばかりで崩れていないと思いますが、夕方くらいになると崩れてしまった経験がある方が多いと思うんです、これは結び方が悪いんでしょうか?

森井さん

ネクタイは結び目が潰れてしまうと格好悪いですよね。僕は、セミウィンザーノットの結び方が緩みにくいのでオススメです。

ただ、セミウィザーノットはネクタイの長さが必要なので、160cm以上あるものが結びやすいですね。

本名:森井良行(もりい よしゆき)会社員経験を経てパーソナルスタイリストとして独立。現在は一般社団法人「服のコンサルタント協会」会長を務める。4500人の服選びに同行し、ファストファッションからハイブランドまでを上手に取り入れた「着こなしのメソッド」を確立した。最新の著書は『38歳からのビジネスコーデ図鑑: 真似するだけで印象が劇的によくなる』。

イノウエ

結び方によって、必要なネクタイの長さが違うとは知りませんでした。
だから短いネクタイを長く見せようとして、結び目が変に見えることがあるんですね…。

ネクタイをうまく結ぶコツはありますか?

森井さん

僕は昔、首のすぐ下あたりでネクタイの結び目を作っていたんです。でも腕の可動域が少ないし、ディンプルを作るのもうまくいかなくて。

結び始める位置を少し下げて、胸あたりで結び目を作ってみたら、鏡を見なくても作れるようになったので、結び目を作る最初の位置どりが大事だと思います。

イノウエ

おそらく上手く結べない方は、首のすぐ下あたりで結び目を作っていたり、最初にネクタイの結び方を教わった人がやっている結び方をそのままやっているケースですね。

森井さん

そう、でもだんだん個性が出てきてしまって、そこから自分流の結び方になってしまいやすく、胸じゃなくて首元で作っている方が多いと思います。

イノウエ

僕も首元で作っていました…。
でも、胸元で結び始めるとディンプルも作りやすくなるんでしょうか。

森井さん

ディンプルも胸のところで作るとキレイに作れますよ。「ウィンザーノット」で検索してみると、どれも胸あたりで作り始めているのがわかると思います。

イノウエ

ネクタイがビシッと決まっていると「デキる」男感が上がりますよね(笑)。
小さなことの積み重ねが、自分の魅せ方を左右するということですね。

まとめ

ビジネスシーンでの最初の印象は、顔まわりで決まることが多いと言われています。

森井さんのお話からは、こだわりのネクタイでコーディネートすれば、自分の見せたい印象を残すことができるという発見がありました。

後半は冠婚葬祭や就職活動などの特殊なシーンでのネクタイコーディネートについてお伺いします。今回の記事と併せて参考にして、ネクタイの合わせ方をマスターしましょう。

 

<ライティング/わたやみき@misaki_wn>

<編集/イノウエ>

<撮影/九鬼>

今回の取材にご協力いただいたショップ【TOKYOTAILOR】さん 「今までに着たことがない最高のスーツ」であり、「着る人の魅力を最大限に引き出すスーツ」を提供する。「メイドインジャパン」と品質・着心地・シルエットにこだわり続けるのは、着る人のことを第一に考えている。渋谷区千駄ヶ谷に店舗を構え、来店に加え会社・自宅への訪問も行われています。
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