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クールビズがクールじゃない カッコ悪くならない大人のクールビズ

コト 2020.07.22 by g-lip E編集部

近年の猛暑や環境への配慮などから、日本でも定番化してきたクールビズ。

 

しかし、「クールビズってなんかダサい」「スタイルが悪く見える」といった意見も多く、「会社の規定はあっても、実際には何がOKでNGなのかわからない」と、ビジネスシーンにおける身なりで、クールビズの最適な着こなしがわからない方が多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、パーソナルスタイリストとして活躍されるエレガントカジュアル代表の森井さんに、ビジネスシーンにおけるダサくないクールビズの着こなし方を中心にお話していただきました。

 

これからの時期、知っておけば悩まない、クールビズの季節が楽しくなる情報が満載なインタビューです。

 

 

〈インタビュアー:イノウエ〉

これをやったらNG、知っておくことで振る舞いに自信が持てる

イノウエ

今回は、かっこいいクールビズについてお話をお伺いしたいと思います。クールビズって、普段より薄着になるので、どこかダサくなりやすいと思うんです…。

森井さん

そうですね、例えばスーツのジャケットだけ脱いだ状態は、「ダサい」クールビズでやってしまいがちですが、ジャケットを脱いだだけの状態は一目でわかってしまいます。

イノウエ

その場合、パンツも含めて、クールビズ用の商品で揃えた方が良いんでしょうか。

森井さん

ジャケットとパンツをセットで購入してない場合は素材も異なるケースが多いので、ちぐはぐな雰囲気になってしまいます。

なのでクールビズの基本は、まずはパンツをクールビズ用の商品に変えることです。

イノウエ

たしかに、クールビズ用であれば、吸湿性や速乾性に優れている素材で作られてますけど、秋冬用の商品は、素材が全く違うから、見た目の雰囲気でごちゃごちゃしてしまうんですね。

森井さん

最近はクールビズで、ボタンダウンのYシャツにネクタイをしている方をよく見かけるんですが、ボタンダウンのYシャツはそもそも、ネクタイをしないYシャツなんですね。

なので違和感を無くすのであれば、Yシャツもクールビズ専用商品の方が良いと思います。

イノウエ

「なんかダサい」けど、どこがダサいのか分からないという原因は、素材がごちゃついてたり、なんとなく着こなしていたりするところにあるのかもしれませんね。

クールビズでNGなこと、やってはいけないことはありますか?

森井さん

普段ネクタイをしているときよりも胸元が開くことが多いので、下着が見えてしまうことは避けたいですね。

イノウエ

チラッと下着が見えてしうまうことはよくありそうです。

森井さん

Yシャツの下に着る肌着は、白よりも肌の色に近いベージュの方が、透けた時の違和感も少ないのでオススメです。

イノウエ

たしかに、下着が白で透けてしまう場合、ベージュを着ることで解決できますね。

ノーネクタイのスタイルだと、半袖のYシャツではなく、白Tシャツにジャケットという組み合わせも多いと思うんですが、ビジネス上のクールビズとしてはいかがですか…?

森井さん

Tシャツにジャケット、僕は最高にオススメですよ!

本名:森井良行(もりい よしゆき)会社員経験を経てパーソナルスタイリストとして独立。現在は一般社団法人「服のコンサルタント協会」会長を務める。4500人の服選びに同行し、ファストファッションからハイブランドまでを上手に取り入れた「着こなしのメソッド」を確立した。最新の著書は『38歳からのビジネスコーデ図鑑: 真似するだけで印象が劇的によくなる』。

イノウエ

最近増えてきているとはいえ、正直「どうなのかな」と思っていました。

森井さん

会社的に許されるのであれば全然OKだと思います。ただTシャツの首元がVネックの場合、Vが深いと胸元が空きすぎてしまうことがあるので、できれば丸首のものを合わせた方が良いですね。

イノウエ

そうなるとVネックより丸首のTシャツの方が着こなしの幅だったり、汎用性が高そうですね。

森井さん

あとは、ジャケット+Tシャツのスタイルで白いTシャツを選ぶとき、Tシャツの素材によっては下着っぽく見えてしまうことがあるので、下着感の出にくい厚手のものがオススメです。

イノウエ

Tシャツの生地の厚さによって印象が変わってしまうんですね…。

森井さん

Tシャツが下着っぽく見えてしまうのはみんな避けたいはずなんです。

だから、生地の厚さによって見た目の印象が変わることも覚えておきたいですね。

半袖シャツでもビジネスシーンに適す アームホールで選べばジャストフィット

イノウエ

クールビズと聞くと半袖シャツをイメージする方も多いと思います。

それに、半袖シャツがビジネスシーンに適していないという考えを持つ方もいると思うんです。

森井さん

個人的には、半袖シャツを推奨したいという気持ちがあって。例えば、長袖を折り曲げた状態で取引先と会うことに躊躇してしまう方もいらっしゃるんですが、半袖シャツでもトータルでしっかりコーディネートすれば、清潔感があってシャープな印象になると思ってます。

イノウエ

なるほど、半袖シャツはカジュアル過ぎに見えてしまうかなと思いました。

ピシッとして見せるためのコツはありますか?

森井さん

ピシッとして見える、だらしなく見えるの境界線は、「アームホールがジャストサイズかどうか」という点です。アームホールが広いとだらしない印象になってしまうんです。

※アームホールとは 袖と身頃が縫い合わされている、腕を通す部分のこと。

イノウエ

僕は学生服の頃に、自分がそうだったかもしれません…。

でもアームホールの広さはどうやって調べたら良いんでしょう。シャツを購入する時に、アームホールのサイズを見て購入すれば良いんでしょうか?

森井さん

1番は試着することですね。もちろん店員さんに聞くのもアリですけど、試着してみて全体を見るのが大切です。クールビズのときはノーネクタイが基本だから、着たときに胸の部分が肉割れしないようであれば買って大丈夫です。

クールビズは艶なしでカジュアルに 質感で選ぶYシャツ選び

イノウエ

クールビズでは普段Yシャツを選ぶときとは違い、アームホールの広さが重要とのことですが、購入時はデザイン面も気にする方が多いと思います。

森井さん

半袖シャツ自体がカジュアル向けで作られていますが、デザインもカジュアルに寄せた方がハマりますね。ドレス感の強い真っ白なシャツが半袖だと、フォーマル過ぎることがあるので、パンツや足元とのバランスが悪くなってしまいます。

イノウエ

ツルッとした、フォーマルのような真っ白な半袖シャツを学生服で着てました(笑)。

森井さん

クールビズで選ぶ場合、シャツの素材もざらっとした質感や、少し粗い感じの素材で選ぶと良いですね。

イノウエ

シルクのようなツヤ感があるとフォーマルなんですね。

クールビズの視点で選ぶ場合、質感はツルツルしてない方が良いんでしょうか?

森井さん

質感だけでいえば、ニットジャージのシャツなどもツルツルしていますよね。ツルツルしているかの基準は難しいので、普段着ているYシャツのパリッとした質感と違うイメージで選ぶと良いですよ。

ジャケパンスタイルにも礼儀あり、ビジネスシーンにおける身なり

イノウエ

最近は、いわゆるジャケパンスタイルをクールビズとして取り入れる方が増えているように感じます。

森井さん

普段から自由な服装で仕事ができる企業も増えてきてたり、業界によっては浸透しているけど、取引先の大手メーカー行くと浮いちゃうとか。業界によって服装に対する雰囲気の違いがまだまだありますね。

イノウエ

服装規定では「Tシャツはダメでもポロシャツはあり」というのも聞くことがありますが、ジャケパンスタイルではYシャツ以外だとTシャツしか合わせるものがないような気がします…。

森井さん

ポロシャツでもおかしくはないけど、色やサイズ感でおじさんぽく見えやすいので注意です。

僕がオススメするのは、スキッパーポロシャツです。商品によって変わりますが、スキッパーシャツはボタンがなく、Vが深めなのですっきり見える特徴があります。

※出典:UNIVVERSAL LANGUAGE   写真はボタンが無い、Vの深さが浅めなスキッパーポロシャツ

森井さん

ボタンがあるポロシャツは、「スポーツ感」と「生活感」がでてしまいます。

なのでボタンの無いスキッパーポロはVネックTシャツに襟がついたようなイメージで、カジュアルになり過ぎず使いやすいんですね。

イノウエ

そうなると、ジャケットと合わせる場合、基本は襟があった方が良いということですか?

森井さん

僕は「なくてもいい」と思っていますが、職場でTシャツがNGの場合は、襟なしは着れないですね。

イノウエ

スキッパーポロシャツ…今年の夏試してみたいです!

最後に、クールビズの足元の変化はありますか?

森井さん

スラックスかジーンズか、パンツによります。今はスニーカー通勤が増えてきていますが、主流はまだまだ革靴ですよね。

一般的な革靴以外でいえばスウェード調のものかスニーカーになりますが、スニーカーでもアッパーソールが革やスウェードのものはビジネスシーンでも合わせやすいと思います。

まとめ

森井さんのお話からは、「涼しさ」や「快適性」を重視するクールビズも、ポイントを押さえることでグッとかっこいいスタイルになることがわかりました。

 

ジャケットやシャツを選ぶ際にはパッと見た色味やデザインで選んでしまいがちですが、サイズ感や素材を意識すればより洗練されて見えるようになります。

 

この夏は「かっこいいクールビス」を目指してみてはいかがでしょうか。

 

 

〈ライティング/わたやみき〉

〈編集/イノウエ〉

〈撮影/刀根〉

今回、撮影場所のご提供いただきました『THE SUIT COMPANY』さん。 スーツのユニフォーム化を否定し、着る人に合ったスーツを手頃な価格で提供する。「いく、だけ」としてまったく選ぶ必要のないオーダーメイドスーツや、裾丈の長さを調整可能な試着不要なパンツなど斬新なビジネスファッションを次々に発信している。2020年7月現在、全国に52店舗を展開中。
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