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ゴルフは収入に繋がる?「落ち目のスポーツ」に隠されたコミュニケーション

コト 2019.07.05 by 斉藤ドクター

トランプ大統領と安部首相が仲良くゴルフをしているシーンは記憶にも新しい。
グローバル企業のトップや著名人など、多くのセレブやスターもゴルフをしているのをご存知な方も多いのではないでしょうか。

しかし、ゴルフのプレー人口は日本だけなく世界的には減少しています。
プレー人口が減るということは「トレンドではない」、にも関わらずビジネスシーンおいては、いまも尚「ゴルフが出来ること」が重要なカギになることが非常に多い。

今回は、よくある「ゴルフの魅力」を伝えるのではなく、ビジネスシーンにおいてゴルフが果たしてきた役目、またゴルフだから出来る交渉など、ビジネスマンがゴルフを押さえておくべき理由を紹介します。

そもそもゴルフとは

まずはゴルフという競技を知ることで、その特殊性が見えてきます。
発祥など省きますが、基本的には14本のゴルフクラブでゴルフボールを地面の穴に入れるというスポーツで、18個のコースを何打で終われるか「数字の低さ」を競うゲームです。

プロの世界では異なりますが、一般的には最大4人1組でゴルフカートと言われる小型移動車に乗りながらプレーを行い、プレー時間は概ね5時間程度と、他のスポーツと比べて競技時間が長いのが特徴になります。プレーは前半・後半で分かれ、食事休憩やプレー後には入浴もするため、ホテル並みの設備が整うクラブハウスを保有するハイクラスなゴルフコースもあり、丸1日を楽しめるスポーツなんです。

初心者と上級者が混在するスポーツでありがちな、上級者が初心者に対して「手加減」するということが、ゴルフにおいては個人種目になるので「手加減」がないことも特徴になります。これはビジネスシーンにおいて、ゴルフが個人種目であることが重要な要素かもしれません。

しかし、ハンディキャップを設定することにより、上級者といえども「勝てない」ことが発生します。
例えば、初心者のハンディキャップが20とします。初心者のスコアが120だった場合、-20と計算するのでスコアは100。上級者は99じゃないと勝てないということになります。

また性別や年齢も関係がなく、女性の場合はスタート地点が前方位置になるので体力差がなくなりますし、このルールはシニアにも設定されています。
そもそも、ゴルフが“力勝負”のスポーツではなく判断力・精神力が強く問われるスポーツであるという特徴から、「誰でも楽しくできるスポーツ」ということなんです。

接待ゴルフの謎

少し昭和の話になるかもしれませんが、ドラマやコントでしばしばモチーフにされるのが接待ゴルフ。週末の休日にゴルフに行く夫と、それに嫌味を言う妻という構図は見たことがあるかもしれません。

妻の「ゴルフなんて遊んでるだけじゃない」という言葉に「仕事なんだ、やりたくてやってるんじゃない」と返す夫が定番な構図ですが、これはゴルフを嗜む人間には理解してもらえることが多く、ゴルフをやらない人には「夫が悪い」と映ることが多いと思います。

ゴルフは運動の得手不得手にあまり影響されず、練習すればするだけ上達するスポーツですが、毎回同じスコアが出るわけではなく、試行錯誤を続ける「沼」と化す特徴もあります。お金も時間もつぎ込み、上達した瞬間の快感は禁じ得ないものがあります。

芸人「おぎやはぎ」の矢作さんはゴルフ好きとして知られていますが、ラジオで言っていた「お笑いは褒められても謙遜するが、ゴルフは褒められたら努力を自慢する」という言葉は、とても印象的でした。

そうなると、取引先の担当者のプレー代も支払い、スコアも良く、気持ちよく帰ってもらえば上機嫌間違いなし。と考えることができます。
「いやー、やっぱりお上手ですね」「ナイスショット」など、相手が気持ちよくなるポイントが多い上に、5時間は一緒に過ごすわけですから否が応でも仲良くなれます。

ゴルフを一緒にプレーしただけで仕事がもらえるのなら、休日返上で頑張るのが昭和のお父さんだったのかもしれません。

まことしやかな噂ですが、取引先が打ったボールを探しに行き、ミスショットだった場合はバレないように良いところに置きなおす、という涙ぐましい努力もあったと言われていました。

「人となり」が分かる

ゴルフだけではありませんが、趣味やスポーツにはその人の性格や人となりが出ることが多いです。ゴルフ自体はスコアを競うスポーツですが、自分と向き合うスポーツでもあります。

いつも通り・練習通りにできればスコアは良いハズですが、コース・天候・体調に大きく左右されることがあり、その中でも影響が大きいのはメンタルです。

ゴルフは減点法のスポーツと言われており、どれだけマイナスを減らせるかが上手・下手の分かれ道になっています。ということは、そもそも完璧なプレーはプロでも難しいと考えることができ、賞金が1億円かかっている試合で、次のショットで優勝が決まるとすれば、そのプレッシャーは想像をはるかに超えるものになっているはずです。

プロ選手がミスショットをして、怒りをクラブにぶつけて折ってしまうシーンは見たことありますか?
世界最高峰のタイガーウッズですら、ミスショットの後に怒り狂うことが多く、その怒りはその場で発散することで、次のショットでは冷静になるためにやっていると言われています。

では、ビジネスマンがゴルフをするときにはどうなるか。
例えば、一緒にラウンドしている人のスコアを気にして機嫌が悪くなる、ミスショットした後にやる気をなくす、などの精神的感情から仕事で起きる状況をなんとなく想定することができます。
そうなると「この人はそういう人なんだ…」という風に、良くも悪くも性格が分かるんですね。

また、プレースタイルにも性格が出てきます。
ミスショットをしても楽しんでる人、自分以外のプレーにも明るく「ナイスショット」と声を掛けられる人、ゴルフ道具の話が大好きな人、ルールやマナーを徹底的に守る人など。おおよその人格までわかってしまいます。

ハイクラス層はゴルフを好む

経営層やハイクラス層はゴルフを好むという傾向があります。攻略性が彼らの挑戦心をくすぐることも考えられますが、日々大きなプレッシャーとともにある経営層やハイクラス層の、リフレッシュになっていることも大きな要因になっているのではないでしょうか?

4人でラウンドするわけですから、気心知れた仲間しか誘わず、一緒にプレーする人だけで会話をし、ホテルのような設備のクラブハウスで食事をし、大自然の中で和気あいあいと過ごした後は、温泉のような大浴場でみんなで一日のプレーを振り返る、という空間を都心から1時間離れるだけで、非日常の時間として過ごすことができます。

もともと「紳士のスポーツ」と言われるだけあって、スコアは自己申告制ドレスコードもあり、いい加減な人とはプレーはできないし、それを好む層は概ね同じマインド同士ということになり、そこでビジネスの話になるのであれば、多少の交渉事なら大体、上手くいくのも想像できるかもしれません。

安部首相が、世界のセレブでもあるトランプ大統領の来日スケジュールの中にゴルフラウンドを入れていたことにも説明がつきます。

メディアでは「ゴルフ密談」と揶揄されていますが、ビジネスシーンにおいて日常茶飯事であり、自分の部下が先方のキーマンとゴルフに行くとなれば、上司から「でかした」と言葉をもらえることは想像できるかもしれません。

何かと話題を振りまくZOZOの代表取締役である前澤さんですが、世界最高峰PGAツアー(男子プロゴルフツアー)のトーナメントを日本に誘致したことは、ゴルフ好きの経営層に「さすが前澤」と言わしめました。分かりやすく置き換えると、サッカーワールドカップを日本で開催するのと同じようなものです。

駆け足でお話しましたが、ゴルフがビジネスマンに必要なコミュニケーションを与えてくれるものだということは伝わりましたでしょうか。ただし、ゴルフが気軽に始められない理由を抱えている人も少なくありません。

初心者といえど、ある程度ボールを打てなければラウンド(コースを回ること)はできませんし、ある程度まで打てるようになるには相応な努力が必要になるからですね。

道具も揃えなければならず、移動手段も確保する必要があります。
車離れが言われて久しいですが、さまざまな理由から20代でゴルフを気軽に始められない環境になってきていることは間違いありません。

しかし、その環境の中でも「ゴルフ」を選択したビジネスマンは非常に価値の高いものになり、経営層やセレブ層にも近づくチャンスを掴むことができるのではないでしょうか。

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