働き方改革が叫ばれるなかで、多くの人が仕事への向き合い方、そして生き方を見つめなおすことが必要とされる時代になりました。
『絶景プロデューサー』という肩書で、活動を行う詩歩さんも、会社員を経験した後にフリーランスへ転身し、価値観が大きく変化した1人です。
今いる場所から1歩踏み出すためには「多様な価値観に触れることが大切」と教えてくれた詩歩さん。
前編に引きつづき、独自の感性で自分らしさを貫く詩歩さんに、仕事に対するこだわりをおうかがいしました。
〈インタビュアー:イノウエ〉
ヒト 2020.04.16 by G-lip E 編集部
働き方改革が叫ばれるなかで、多くの人が仕事への向き合い方、そして生き方を見つめなおすことが必要とされる時代になりました。
『絶景プロデューサー』という肩書で、活動を行う詩歩さんも、会社員を経験した後にフリーランスへ転身し、価値観が大きく変化した1人です。
今いる場所から1歩踏み出すためには「多様な価値観に触れることが大切」と教えてくれた詩歩さん。
前編に引きつづき、独自の感性で自分らしさを貫く詩歩さんに、仕事に対するこだわりをおうかがいしました。
〈インタビュアー:イノウエ〉
イノウエ
詩歩さんは会社員からフリーランスに転身されたり、人がやっていないことを仕事にしたりと新しいチャレンジに取り組まれていますよね。
何か「今いる場所から一歩踏み出す」ために心がけていることはありますか?
詩歩さん
私の場合、いろいろな価値観に触れたっていうことが1番大きかったですね。
イノウエ
いろいろな価値観に触れる…?
詩歩さん
私は静岡県の浜松市出身なんですが、私が住んでいたところは超ド田舎だったんですよ。
家の周りは全部畑で、幼稚園から中学校まで同じメンバーで、高校行って大学入って、普通に就職したら結婚して、主婦になって子供を産む…っていう決まった価値観しか当時は想像できませんでした。
イノウエ
僕も地方出身なので、そういった友人も何人かいますね。
でも、詩歩さんの価値観が変化したきっかけが、どこかであったんですよね。
詩歩さん
大学に入学して東京に出てきたときですね。東京には本当にいろんな人がいたんです。大企業の御曹司だったり、外国の人だったり、いつも下駄はいてるおもしろい人もいました(笑)。
その時に「生き方は1つじゃないんだ」ってことに気がついたんです。
イノウエ
たくさんの人との出会いから、詩歩さんの価値観にも多様性が生まれたんですね。
詩歩さん
そうですね。
昔は勉強ができる、運動ができる、ということが人の価値を決めるのかと思っていました。
詩歩さん
でも頭がいい人は上を見たらキリがないし、スポーツだって本当にすごい人がいる。
だから「同じ土俵で私が頑張っても、しょうがない」って感じて。それは仕事でも同じだと思うんです。凄い人と同じフィールドで戦っても勝てないというか…。
イノウエ
人と少し違うポジションを見つけるような、いわゆるブルーオーシャン戦略ですね。
詩歩さん
「いろいろな価値観があっていいんだな」っていうことに気づいてからは、固定観念にとらわれず、新しい発想ができるようになりました。
ずっと同じ価値観の中で生活していると、自分が思っている以上に井の中の蛙だったりすると思うんですよ。
イノウエ
詩歩さんも新卒で入社された広告代理店で、会社員として働いていたとのことですが、今はフリーランスに転身され、働き方での価値観で変化したことはありますか?
詩歩さん
うーん、1番は「人生何とかなる」って思うようになったことですね(笑)。
イノウエ
人生何とかなる(笑)。それが1番大きいですか?
詩歩さん
やっぱり会社員のころは「フリーランスになったら仕事や稼ぎがなくなるかもしれない、支えてくれる人も誰もいないかも」という不安だらけだったんですよ。
イノウエ
独立しようと思ったら、やっぱり不安になりますよね。
詩歩さん
でも世界を旅する中で、日本はすごく恵まれてる国ということに気がついたんです。
仮にフリーランスとして仕事が取れなかったとしても、コンビニでバイトしたら時給1,000円くらいもらえるじゃないですか。だから野垂れ死ぬことはないなって。
イノウエ
日本の有効求人倍率も1倍以上をキープしてますもんね。
でも海外だったら、状況は違うんでしょうか?
詩歩さん
違いますね。私は仕事や旅行で60か国以上を旅してきて中で、失業率が高い国や経済的に苦しい国を見ていると、そもそも仕事がないんです。働いてもほとんどお給料をもらえない国もあります。
そういう国がある中で、日本のように求人が溢れてるのはすごく恵まれた環境だと思うんです。
イノウエ
経済的にも、仕事的にも恵まれている日本であればやれる!って感じて、フリーランスに転身されたんですね。
詩歩さん
でも私の場合「カメラマンです」「ライターです」みたいな、わかりやすいスキルがあったわけじゃなくて「絶景に詳しい人、以上!」みたいなフワッとした状態だったんです。
当時はまだインフルエンサーという仕事もなくて、こんなフワフワした状態で仕事になるのだろうか、という不安はずっとありました。
詩歩さん
でも、人は”覚悟を決める”ことで頑張るものなんですよね。
私の場合はフリーランスを選びましたが、それは会社員でも同じだったと思います。
イノウエ
会社員と副業を両立させたり、どちらも成功させようとするのではなく、どちらかに選びやり切ることで、抜きん出ることができるといいますよね。
詩歩さん
そうですね。いざとなればバイトでもして…というリスクヘッジの気持ちを持ちつつ、「ここで稼がないとバイトしなきゃならない!」って自分にいい聞かせてもいましたね。
ありがたいことにお仕事をいただけたので、バイトすることはありませんでしたが(笑)。
イノウエ
仕事をするうえで詩歩さんが目標としている人、ロールモデルのような方はいらっしゃるんでしょうか。
詩歩さん
うーん…。実はとくに目標としている方っていないんですよね。
絶景プロデューサーという仕事自体が、ほかに同じような活動をされている人もいなくて。
イノウエ
たしかに、絶景プロデューサーって詩歩さん以外にいらっしゃらないですもんね。
では、どのように自分の目標や仕事のスタイルを明確にしていったんでしょうか?
詩歩さん
ありがたいことにいろんな仕事のご依頼をいただけていて、それを自分の中で「できる・できない」「やりたい・やりたくない」と取捨選択していたら、今のスタイルに至ったという感じです。
イノウエ
やりたいことと、できることが違ったり、依頼されるお仕事と、中にはやりたくない仕事もあると思います。
その中で、どんな基準を設けてお仕事を選ばれているんでしょうか。
詩歩さん
私は、いただけるお仕事の中で少しでも興味がある仕事は、まずは挑戦してみることにしてるんです。
やってみた結果、私がやるより他の人に任せた方が良いなと思ったお仕事で、同様の依頼がきた時は「次は断ろうって」決めるようにしてますね。
例えば、以前写真の撮影依頼をいただいて、データだけ納品する仕事がありました。1度は挑戦して、その案件に関してはOKをいただきましたが、今はやってなくて。
やっぱり私はカメラマンではないので、「写真撮影をして納品するお仕事は私じゃない人のほうが良いものができるな」と思ったんです。
イノウエ
お仕事を引き受ける以上、クライアントさんに対しても、費用に対する成果を十分に提供したいですもんね。
そこから今は、詩歩さんがやるべき「理由」があるお仕事だけに絞り、活動されているんですか?
詩歩さん
そうですね。
私の仕事は「絶景」が軸にあって、絶景のことなら誰にも負けないという想いがあります。
だからこそ「これは私がやるべき仕事だ」というのを取捨選択して、クライアントさんの期待を超える価値を提供したいですね。
イノウエ
なるほど。そうなると、詩歩さんが絶景の仕事をされるうえで、最も大切にしていることというのはなんですか?
詩歩さん
仕事としてお金をいただいているので、やるなら100%以上のパワーで取り組むと決めています。
そのためにもまずは、「自分が楽しめるか」ということを大切にしていますね。楽しいから100%以上のパワーを発揮できると思うんです。
そうして、クライアントさんにも喜んでいただけるのが良いですよね。
会社員やフリーランスといった働き方に関わらず、仕事に対して自分なりのこだわりを貫くことは、自分自身の価値を高めることに繋がるのかもしれません。
同時に自分とは異なる考え方や、価値観を持つ人とのコミュニケーションから、新しい自分を見つけ、新たな可能性が見つかることもあります。
「楽しいから100%以上のパワーが発揮できる」と笑顔で語ってくれた詩歩さん。
その純粋な想いが、今日もSNSを通じ、情報を受け取る多くの人に笑顔を届けているんですね。
<ライティング/Nao @nao8110_writer>
<編集/イノウエ>
<撮影/刀根康英>
詩歩さんインタビュー前編はこちら!