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もう怖くない!外国人とのコミュニケーションを、71ヵ国を旅したリーマントラベラーに聞く

コト 2020.03.06 by G-lip E 編集部

日本への外国人観光客が1000万人を初めて突破したのが2013年(平成25年)、それからたった5年後の2018年(平成30年)には、年間3000万人を超える外国人が日本を訪れており、今もな街中で見かける回数が増え続けています。

それと同時に、スマホを眺めながら困った様子をする姿を見かける機会も増えました。
そんな姿を見て「助けてあげたいけど、言葉がわからない」。そんな気持ちから躊躇してしまう経験をした方もいるのではないでしょうか?

今回はそんな悩みを解決すべく、平日は都内の広告代理店で働きながら、休日はトラベラーとして海外への旅を活動とする、リーマントラべラーの東松寛文さんに外国人とのコミュニケーション術をお聞きしました。

〈インタビュアー:イノウエ〉

外国人とのコミュニケーションは怖くない。自分からオープンマインドに接すること

イノウエ

東松さん、今日は外国人とのコミュニケーションの取り方について、71ヵ国157都市を旅した経験から教えてください。

東松さん

はい、よろしくお願いします。

イノウエ

今年はオリンピックの開催があったり、外国人と関わる機会が自然と増えると思うんですが、外国の方に怖いイメージを持っている方が多い気がしていて。

東松さん

そーですね。怖いというより、上手く言葉を話さなければならないと思っているんじゃないですか?

本名:東松 寛文(とうまつ・ひろふみ)1987年岐阜県生まれ。神戸大学経営学部卒。平日は都内広告代理店で働き、週末で世界中を旅する"リーマントラベラー"。社会人3年目に旅に目覚め、7年間で71カ国157都市に渡航。2016年には世界一周を達成。TVや新聞、雑誌等のメディア出演・執筆多数あり。全国各地で講演も実施。著書に『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』(河出書房新社)、『休み方改革』(徳間書店)。朝日新聞社にて『リーマントラベラーサロン』も主宰する。

イノウエ

会話として、成立させなければならないと「思い込んでしまっている」ということでしょうか?

東松さん

そう、僕はこれだけ旅をしても。英語が全く話せないんですけど。

どうやって僕が海外の人と仲良くなっているのかというと。オープンマインドで接してるだけなんです。

イノウエ

言葉が通じなくても、オープンマインドに?

東松さん

例えば、海外行くと写真を撮って欲しいじゃないですか。だから、カメラって結構大事で。話しかける理由になるんですけど。突然「こんにちは!」とはできなくても、カメラがあったら「写真撮ってください!」っていいやすいですよね。

イノウエ

でも、見知らぬ人にカメラを渡して撮影してもらうのって、心配ですよ…。

東松さん

そう、だから自分が心を開いて、オープンマインドになっていくしか無い。そういう状況を作って、写真を撮ってもらいます。

東松さん

で、スマホ渡して撮ってもらいますよね。もちろん相手を見極めますよ(笑)。よっぽどヤバそうな人には頼らないですけど、最悪観光客でも良くて。本当は現地の人が良いです。

イノウエ

観光客にお願いするんですか?(笑)。

東松さん

観光客は盗まなそうだし、カメラテクニックもそこそこありそうじゃないですか?

イノウエ

どうやって見極めるんだろうか…。

東松さん

で、現地の人だったら「What's your recommend restaurant?」ぐらいは僕も言えるので、写真を撮ってもらったついでに、現地のおすすめレストランとか、聞いちゃうんですよ。

イノウエ

いやいや、いきなりハードル高いです…。

東松さん

でも、いざオススメされたお店に行ってみるけど、今度はメニューがわからないじゃないですか?お店に入れたとして、メニュー見てもわからないので、周りを見て、「アレ食べたい!って」指差して注文するんです。 日本語で(笑)。

これ食べたいんだけどみたいなことを言えば、『%&$#:*+』みたいな事言ってくれるので『OK』ってやると、そのまま出てきます。

もう会話じゃない(笑)

東松さん

だからそんな難しい言葉使ってないんですよ。もし、使わなきゃいけなくなったら完全に単語。あとは一旦 、自分が相手側の気持ちになってみることが、できるのであれば、立ってやってみるんですよ。

海外でトイレに困る?スマホが無くても、最低限の単語を覚えることで解決できる

イノウエ

東松さん、今のパターンは、スマホを一切使って無いですよね。

東松さん

今はGoogle翻訳とか、いろいろありますけど。僕は、Wi-Fiを持ち運びできるようになる前から旅に行ってて。何とかなっちゃってるので、今はWi-Fiも、現地の環境整備も進んでいるので余裕だと思うんですよ。逆にね、日本で外国人に話しかけられるとしたら、海外の人が困ってることは大体同じだと思ってて、「どこかに辿り着けない」だけでそれ以上の悩みはないと思うんです。

イノウエ

難しい会話ができる必要も無く、とにかくオープンマインドにすれば良いと?

東松さん

例えば前にあったのが、海外の人がスマホ見ながら、GoogleMapを起動してるんだけど、Wi-Fiがなくて地図が反応しなくて困ってる人とか。

イノウエ

ああ、Wi-Fiが繋がらない問題!

日本でもよくありますね。

東松さん

あとは、日本語が読めないので、英語で書いてあるんだけど、この英語と日本語が合ってるが分からなくて、目の前のお店に入れない人とか。 そんな感じが多くて、日本に来て悩んでる外国人の悩みって限られているんです。で、僕はそういうのに気付いちゃってるので話しかけて、自分のスマホで打ってあげます。それだけでも意外と解決するんですよね。

イノウエ

外国の方が「どんな事に悩んでいるのか」想像するには自分が海外に行って。逆の立場に立ってみないとわからない気がします。

東松さん

そうなんですよ!「何に悩んでいるのか」なんて、自分が海外に行った時に悩む事と同じなので、海外に行くのは、もちろん楽しいんですけど。

普段は当たり前のことができなかったりするので、新しい発見もあったりするんですね。

イノウエ

僕は以前の海外旅行で、トイレに困ったことがありましたね…。

東松さん

トイレはね、先進国だっ たら最悪ホテルで何とかなりますけどね(笑)。

発展途上国だったら、みんな優しいので「トイレっ」って困った顔でいえば大概大丈夫です

イノウエ

これまで旅されていて、言葉が通じなかったり、困った経験はないんですか?

東松さん

旅では何が起こるかわからないので、野性味溢れる感じで、一応最低限のティッシュは持ち歩いて準備はしているんですけど、僕いまだにトイレ以外でしたことないですね。

イノウエ

トイレの悩みは、どこの国に行っても同じだと思って、例えば、海外でタクシー乗っている時とか、トイレに行きたいけど、ドライバーに何といえば良いかわからない問題ですね(笑)。

東松さん

例えばね、男性だったら股間ぐらいに手を当てて、おしっこする動作で身振りをすれば、マジでいけますよ(笑)。

イノウエ

何回かそれで乗り越えてきたということですか⁈

東松さん

やってますやってます。アフリカ行った時は説明しようがなくて、身振りでやってみたらいけました。でも最悪スマホで、トイレを翻訳すればいいんじゃないですか?

だそうなので、アフリカ行ってトイレに困ったら身振りで解決してください(笑)

東松さん

バスルームかウォッシュルームの単語だけ覚えておけば大体なんとかなりますけど。スペイン語では「バーニョ」とかいったり、トイレじゃなかったりしますが、そういう不安になりそうな国へ行く時は、行く前に「トイレ」という単語だけ覚えておけば良いんじゃないですか?

海外では、お手洗いや浴室、お風呂などの水回りを、同じ括りにするんだそう。

イノウエ

海外へ行く前に、最低限必要な単語だけ覚えるのは、やっていそうだけど、行く前の準備としてやらない人が多いですね。

東松さん

あと、僕は現地の値段が分からない時に、いつもスマホの電卓を出して、打ってもらって、自分で打ち直して、「コレっ」って値切ったりもしますね(笑)。

イノウエ

それなら難しい単語が分からなくても、買い物はできそうです(笑)。

東松さん

例えば、僕がスペインに行った時は、「オラ」 っていう挨拶、すみませんの意味を持つ「ペルドン」、行き先を尋ねる「ドンテエスタ〇〇」という3つだけ覚えました。

イノウエ

基本的なあいさつと、道を尋ねる単語だったり、トイレとか、生活するために必要な単語ばかりですね。

東松さん

そう、必要最低限の単語だけを覚えて行けば良いと思います。僕はトイレを、現地で覚えましたし、事前に覚えておけば問題ないですよね。

あとはそれを勇気を持って伝えることができるかどうかじゃないですか?

日本の素晴らしさを伝える、海外へ行くことで改めて日本の良さに気付くことができる

イノウエ

やっぱり、困っている人を助ける為に話かけるのは、勇気が必要な気がするんですね。外国の方を怖がってしまうというか。

東松さん

難しいですね。僕がなぜ話しかけられるのかって、海外で困った経験があるのもそうなんですけど、自分が海外に行って帰ってきてやっぱり日本が最高だと思うからなんですよ。日本へ来た海外の人に「こんなことでつまづいてほしくない」んです。

イノウエ

日本の良さですか⁈

東松さん

道が分からないとか、地図が動かないだけで、行先に悩んで欲しくないじゃないですか。もっと素敵なとこに辿り着いて、おいしいご飯とか知って欲しいのに、みたいな気持ちが僕は強いので、怖いとかは無いんですね。

イノウエ

なるほど…

東松さん

逆に、日本人は海外へ旅行することによって、日本の良さに気付くこともできるんですよ。

もし海外へ行った経験が無いとすれば、比較対象がないので、日本の素晴らしさに気付くことができない。それは勿体ないなと思うこともあります。

吉野家のクオリティーを語ってくれました

東松さん

日本の素晴らしさ、ご飯が美味しいとかも含めて、海外へ行くことで、改めて気付くことができるので、せっかく日本へ来ている海外の人が目の前で困っていたら、助けたい気持ちが湧いてきたりするんじゃないかなと思います。

イノウエ

現地の文化や食だけでなく、普段の生活をしている日本と比較してしまうので、日本の良い所も気付くことができるんですね。

東松さん

僕もこうなるまで、「日本いいな」と思ったことがなかった。でも海外から帰ってきて「ご飯うめぇ」と思う訳じゃないですか。

やっぱり日本の良さに気付くことができれば、海外の人にもその良さを知ってもらいたいと思うんですよね。

コミュニケーションの本質は、会話を成立させることじゃない、心を開くことだ

イノウエ

今までコミュニケーションを交わす中で、言語に関係なく、コミュニケーションが取りやすい人の気質というのはありましたか?

東松さん

欧米の人よりも、ちょっとラテン系の人の方がノリが良いみたいなのはありましたね。

中南米とか行って、ラテン系の人たちと接すると凄いオープンに接してくれることが多いですよ!

イノウエ

伝えたい内容が伝わらなくても、自分のいいたいことを聞き取ろうとしてくれるみたいな感じですか?

東松さん

コミュニケーションがよりオープンマインドな感じ。話を聞いてくれるのかは別として、コミュニケーションを取ることに対して抵抗がないですね。旅人だったり 、旅で来た人に対しての抵抗はないなって感じました。

イノウエ

逆に、コミュニケーションに冷たいというか、話かけにくいような国はありました?

東松さん

寒い国なんかは、イメージですけど、若干ありますね(笑)。

東松さん

それでも日本人よりもみんな優しいんじゃないですか(笑)。もう完全に日本人は冷たいですよね。銀座とかで困ってる人とか無視じゃないですか(笑)。

イノウエ

僕もそうなんですが、話かける勇気だったり、「会話を上手くしなければならないんだ」と思ってしまうんです。

東松さん

そう、それが海外を旅するようになってから、僕の中で不思議に思うようになったことで、僕も言葉が話せないので、銀座に困ってる人がいても無視していた側の人間ですけど。

今は話せなくても、困ってる人が居れば助けてあげれるようになったんです。

イノウエ

言葉が喋れなかったとしても、色んな国を旅してきた中で 、コミュニケーションの本質がなんなのか気付いたということですか?

東松さん

やっぱり、心を開いて接せられるかどうかじゃないでしょうか。

イノウエ

オープンマインドに繋がりますね。

東松さん

僕はこの身体もあって。基本的に殴られることはないと思ってるので、基本的には心開いて行くし。絶対に怯えたりはしないですけど。何か質問するだったら、こっちはもう丸裸状態でいくようにしてますね。

イノウエ

変に構えていると、コミュニケーション成立しないと?

東松さん

そう、基本的にはもうこっちから。心開いていく、先手必勝だと思っているので。自分から心開いていけば、基本的にコミュニケーションは成り立つと思っています。

東松さん

日本はそれができない人が多いですね。不安な気持ちがあるかもしれないんですけど、しょうがない。 いくしかないです(笑)。

イノウエ

会話ができる必要も無いと、そんな心配より、相手に心開けば解決できるということですね。

東松さん

あと、文法とか気にすることも無いですよ。僕は今だに文法知らないですし、 今でも話せないんですもん(笑)。

まとめ

外国人とのコミュニケーションは普段の日常生活では少ない人が多いと思います。しかし、自分の目の前で困っている方や、自分が困っている時に話しかける勇気は必要じゃないでしょうか。

自分から相手を信用し、オープンマインドに接することは、外国人とのコミュニケーションに限らず、さまざまなビジネスシーン、出会いの場で活かせることだと思います。

不安な気持ちに別れを告げ、一歩踏み出す勇気を持ってみることが大切です。

<編集:ライティング/イノウエ>
<撮影/神谷渚>

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