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ボイストレーナー鳥山真翔 ボイストレーニングという仕事に掛ける想い

ヒト 2019.12.24 by G-lip E 編集部

前回は、ビジネスパーソンにおける声の重要性についてゴリラクリニックビジネスセミナーでも講師を務めているボイストレーナー鳥山真翔さんにお話を伺いました。

累計20,000人以上をレッスンし、芸能人やアイドルなどのボイストレーニングも行い、さらにはテレビ番組でも活躍されている、いま人気のボイストレーナー。
アーティストとしても華々しい活躍をしている陰には、長い苦しい生活の下地があるという。
今回は、ビジネスパーソンにも通じる「1つの仕事に掛ける想い」について、鳥山真翔さんに今までの軌跡を伺いました。

ボイストレーナー鳥山真翔の生い立ち

ナルセ

ゴリラクリニックのビジネスセミナーなどのお手伝いをしていただいて、私たちはとてもありがたいですが、全国でお仕事されてお忙しいですよね。

鳥山さん

いえいえ、貴重な機会なので楽しませていただいてますよ。

そうですね、最近は関西エリアでテレビのお仕事や、雑誌記事への寄稿・執筆などが多いです。たくさんお声がけいただいて、私もとても嬉しいんです。

ようやくお金稼げるようになった(笑)。

ナルセ

今回は鳥山さんの生い立ちからお聞きしたいと思っています。

子供時代から音楽に触れていたんですか?

鳥山さん

父がミュージシャンで、トランペッターなんですけど、幼少期からずっと音楽が身近にありまして、ピアノも3歳から習ったり、ほかにもトランペットとかギターとか。

吹奏楽部だったんですけど、基本的に楽器はなんでもできる子だったんです。

ナルセ

天才じゃないですか(笑)。

鳥山さん

そうなんです(笑)。その他にも、子役をやってましたね。中学生から高校生くらいまで。原宿でスカウトされて。可愛い子だったんです、当時は(笑)。

で、子役はガチでやってて、映画とかドラマに出て。

ナルセ

それならそのまま役者か俳優になりそうですね。そこからボイストレーナーを目指すきっかけがあるんですか?

鳥山さん

子役をやっていくなかで、たまたま歌を歌うことがあって、ボイストレーニングにも行き始めて、そこで自分が音痴だということがわかったんです。

それまで音楽では優等生だったので、音感がないという感覚もなかったんです。歌は体が自分の楽器なので、どうしてもうまくいかなくて。それで歌をもう少しやりたいと思って、高校を出たら専門学校に行ったんです。

ナルセ

もちろん才能もですけど、育った環境とか巡ってきたチャンスを掴んだんですね。

鳥山さん

そう聞こえますよね。でも高校生の時ヤンキーになっちゃった(笑)。

鳥山真翔「天才児」から「不良少年」へ

ナルセ

ヤンキー?順風満帆だったのに?

鳥山さん

あまりにも「天才」だったもので(笑)。勉強もできたし。ただ、高校入って3ヶ月で辞めてしまって。もう1度高校行ったんですけど、また3ヶ月で辞めて(笑)。

2回高校を中退して、結果、中卒というキャリアがあるんですけど(笑)。

ナルセ

たまにいますよね、恵まれた環境育ちで、超優秀なのになぜか道を誤った経歴がある人。

鳥山さん

ほんとにグレてて(笑)。練馬区出身なんですけど、卒業生には尾崎豊さんとかもいて。

当時はほんとにヤバい時代だったんで、15歳でも簡単にいろいろな仕事に就けちゃったんです。

ナルセ

大丈夫かな、このままインタビューして(笑)。

鳥山さん

最終的には追われて(笑)。17歳のときに群馬県に逃げたんです。携帯電話を折って死んだことにして。10代の頃が一番荒れてましたね。

日サロも週4くらい通って、マジ黒くて(笑)。だから将来しみについて悩むことになりとても後悔してます(笑)。

ナルセ

でも、そこから専門学校に通うんですよね?

鳥山さん

「これじゃいかん」と思って、「専門学校行こう」と決めて。18歳で専門学校に行って、ヴォーカルスクールに入ったときも、他の子たちは社会経験があまりなかったんですが、僕はドロドロとした世界でサバイバルのように生きてきたので、負けん気根性というか、「音楽でちゃんと食っていくためにはどうすればいいか」を考えられたんだと思います。

ナルセ

色々な紆余曲折を経てるから、同世代とはメンタルが違いますよね。

1度死んでますし(笑)。

鳥山さん

「同い年の子には負けない」という感じは、そのときは1番あったと思います。

でも、実力順にクラス分けされて、自分は1番下のクラスだったんです。「なんで? あれ?」って(笑)。

ナルセ

ヤンキー魂に火がついちゃう…

鳥山さん

そのときに、せっかく学ぶんだから、誰よりも歌を突き詰めてやろうと。そうすると、トレーナーばりに体を研究してやるべきだなと。

学校に通いながらボイストレーニングスクールの学校にトレーナー試験を受けに行って。天才だしピアノは弾けたので、それで合格してスクールに勤め始めたのがきっかけですね。

天才だからこそプライドを捨てて学ぶ

ナルセ

まだ鳥山さんお若いですけど、ボイストレーナーとしては何年くらいになりますか?

鳥山さん

成績が優秀だったので、19歳ぐらいですぐ管理職になって。100店舗くらいあるヴォーカルスクールだったんですけど、10店舗ぐらい任せてもらえて。

管理職になったので、社会人としてのスキルもそこで身につけながら、21歳で独立して来年で10周年となります。

ナルセ

ボイストレーナーとして活動する上で、学歴とかビジネス面で苦労しませんでしたか?

鳥山さん

1度死んでるので学歴は気にしなかったです(笑)。周りの友達が大学に進んで就職したときに、「僕は大丈夫かな?」という不安はありましたけど、その分、社会人としてちゃんとやれてればいいなと。

「若い」ということが1番コンプレックスだったというか。年齢を言った瞬間に、みんな態度がくるっと変わるんで、それを補うために、ひたすら虚勢を張ってた部分はあります。

ナルセ

自分より年齢が下の人間に頭を下げて教えてもらうって、多くの人ができませんしね。

鳥山さん

独立を決めたきっかけでもありますよ。年齢が若いということで、スクール内でイジメもあったので。たとえば会社の共有メールのゴミ箱を見たら僕の悪口ばっかりで。

あと、生徒さんにも「鳥山先生は未熟でメソッドはダメだから」とか言われちゃったりして。「あ、ここにいてはいけないな」と思った。あとは、すでに芸能人も教えてたので、自分も形だけでも一流感を出さないと、というのもありました。

ナルセ

自分で営業して仕事を取ってこないといけないですからね。

鳥山さん

独立自体は簡単だったんですが、その後が簡単じゃなかった。バイトの3つ4つ掛け持ちは当たり前という時代が3~4年続きました。

ボイストレーニングの技術的な面においても、「良くなるから!」と気合だけで教えてた部分があって。ちゃんと勉強しないといけないなと思ったりとか。

ナルセ

3~4年ってかなりしんどいですよね。悩みも多かったんじゃないですか?

鳥山さん

なんでこんなに優秀なはずなのに貧乏なんだろうと。そこでプライドを捨てて学び直そうと。そう思えるまでが長かったです。

何かが足りないとわかりつつ、まだ自分に自信があったというか。

迷い続けて開けたボイストレーナーの道

ナルセ

貧乏といっても、会社起こしているわけだし、普通の生活はできましたよね?

鳥山さん

当時の収入は1カ月5万以下。経費がかかるということすら頭に入ってなくて(笑)。

食べ物も買えないから納豆も1パックをいくつかに分けてとか。バイトも掛け持ちだから20代前半は本当に睡眠時間がなくて、ずっと電車の中でしか寝てませんでした。

ナルセ

他の仕事をしようとは思わなかったんですか?

鳥山さん

ずっと考えてました。心の奥底では、自分自身が歌手になりたいという思いもちょっとあって、でも年齢とともにチャンスもなくなっていって。整体師の学校に行っていたときも、このまま整体師になろうかなとも思ったんですが、なぜかこっちの仕事に運気が戻されるというか(笑)。でも、いま思えば、神様が僕をうまいこと成功させないようにしていてくれたのかなと。

ナルセ

本当にここ数年間で、成功できたんですね。

鳥山さん

そうですね。某大手レコード会社から少しずつお仕事をもらってたんですが、「次世代を担うアーティスト」として何万人かの中から選ばれた子を預かって教えていたら、「Sing! Sing! Sing!」というTBSテレビのオーディション番組で最後まで残って。

しかも、その番組にはうちで教えている子が3人も残ったので、「どこで習ってるんだ」ということで、そこから火が付いて、一気に生徒が増えました。ただ、それからしばらくすると、また生徒が減ってきちゃって、借金するようにもなったんですね。今から3~4年前ぐらいまで。

ナルセ

1度借金しちゃうと、クセになるものですか?

鳥山さん

借りればいいし、電話かかってきたら逃げればいいやと(笑)。

それがね、最後はホントに逃げられなくなるんです。ただ、そうしてでも、この「スイッチオブボイス」という会社は続けようという執念はありましたね。これをやめたら自分は終わりだなという。

ナルセ

天才だったのに、全然上手くいってない(笑)。

鳥山さん

最近やっと、借金の返済が終わったぐらいで。「美顔ボイトレ」を始めたのが4年前ぐらいですが、あれがとにかく良かったんです。あれをやらなかったら終わってた。今はきらびやかに見えるかもしれないけど、ホントひどい人生です(笑)。

ナルセ

借金してでもやめなかった、ボイストレーナーという仕事の魅力は、どういうところにあるんですか?

鳥山さん

80代の人でも若い子でも、みなさんが知っている一流のアーティストでも「先生」って言ってくれる。それはすごくやりがいになっていると思います。

いつでも、気持ちよくさせてもらえる立場ですね、「先生」というのは。

ナルセ

「鳥山先生」ですね(笑)。

そしたら、鳥山先生がボイストレーナーとして、こだわっている部分は?

鳥山さん

いかに「言い訳」をさせないかという技術ですね。女性の生徒さんが来て最初によく言うのが「今日、風邪気味なんです」とか「調子が悪い」とか「私おばさんだから」。そういうのはいらないよ、と。調子悪いのもわかってるし、ババアなのもわかってるから(笑)。

その中でどうベストを尽くすかってことを、最も大事にしてますね。

ナルセ

ババア(笑)。大丈夫ですか?生徒さん、この記事読みますよ?

鳥山さん

大丈夫、言い訳させないから(笑)。

鳥山さんのレッスンを受けると、とにかく笑いが溢れる時間なんだと想像が膨らみます。レッスン生徒に対しても鋭い指摘を入れることも多いのだとか。
恐らく、他のボイストレーナーでは言わないことも、言われたとしたらショックを受けるかもしれません。
ただ、鳥山さんの生い立ちや経験があるからこそ、痛いところを突かれても納得できるのだと思います。才能だけではない、努力があるからこそ活躍でき、説得力が生まれるような気がしました。
最後に、鳥山さんが喫煙者であることに驚いた私にこう言いました。「タバコ吸ってても声は出せる、相手に言い訳させないの(笑)。」さすがです…

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