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エンジニアは勉強嫌いに向かない?パラレルワークで働くメリットとは

コト 2020.05.28 by G-lip E 編集部

サラリーマン、フリーランス、起業家などさまざまな働き方が当たり前になった時代。自分らしく働く、自分らしく生きるために、全く異なる仕事をかけ持つ「パラレルワーク」を選ぶ人が増えています。

今回はタレント×エンジニアという異色の組合せを生業とする池澤あやかさんに、パラレルワーカーとして働くことの魅力に迫り、なぜタレントとエンジニアという2つの軸を選んだのか、そしてエンジニアとして重要な”知識欲”についても語っていただきました。

 

〈インタビュアー:イノウエ〉

パラレルワークのメリット ライフスタイルから考える将来の働き方

イノウエ

すごいお綺麗な方で緊張してますけど、よろしくお願い致します!

いえいえ、よろしくお願いします。

名前: 池澤 あやか(いけざわ あやか)1991年7月28日 大分県に生まれ、東京都で育つ。慶應義塾大学SFC環境情報学部卒業。2006年、第6回東宝シンデレラで審査員特別賞を受賞し、芸能活動を開始。現在は、情報番組やバラエティ番組への出演やさまざまなメディア媒体への寄稿を行うほか、フリーランスのソフトウェアエンジニアとしてアプリケーションの開発に携わっている。著書に『小学生から楽しむ Rubyプログラミング』(日経BP社)、『アイデアを実現させる最高のツール プログラミングをはじめよう』(大和書房)がある。

イノウエ

早速ですが、池澤さんがパラレルワーカーになったきっかけはなんでしょうか?

もともと中学3年生からタレントの活動をしていたんですけど、エンジニアの仕事は大学生の頃、Web制作にハマってアルバイトを始めたことがきっかけですね。

イノウエ

飲食店などのバイトではなく、エンジニアのアルバイトだったんですね。
そもそも、なぜエンジニアをやろうと思ったのでしょうか?

タレントの仕事がすごく不安定だったんです。お仕事が急に入ることも多かったり、「この時期は凄く忙しいけど、来週は時間が空いている」みたいに、スケジュールが掴めないので、一般的なシフト制のアルバイトをやることが難しかったんですね。

イノウエ

急に「明日仕事入りました!」といわれてもアルバイト先にも迷惑かけてしまいますもんね。

そうですね、タレントをやっていてスケジュールが不安定な私でも、空き時間にパソコン1台あれば場所を問わずできる仕事はないかなと考えたときに、エンジニアが最適だと思ったんです。

イノウエ

まだ学生だった、池澤さんのライフスタイルに合っていたのがエンジニアだったんですね。

それに加えて当時ノマドという働き方も流行っていて、将来的にも「フレキシブルな働き方」ができたらいいなと思ってたので、いろんな場所で暮らしながら、タレントをやりながら、エンジニアとして働ければ良いなと考えてました。

イノウエ

なるほど、学生の頃からすでに将来的な働き方も想像していたんですね。
「パラレルワーカー」として働くことのメリットを感じたことはありますか?

2つの軸を持つ働き方は、相乗効果が生まれやすいなと思いますね。

イノウエ

相乗効果ですか?

私の場合はタレントとエンジニアですが、それに限らずだと思います。例えばエンジニアと建築の知識があったら、建築のWebサービスを作ることができたり、エンジニアと運送業の知識があったら、運送業を変えるようなサービスを作ることができたりするんですよ。

イノウエ

なるほど。業界の課題をエンジニアリングスキルで解決…ですか?

そうですね。その分野の専門的な知識や経験があれば、解決できる課題も見えてきますよね。その分野にいる人しか気づけない、見えない課題があるということです。
その時点で、エンジニアとしても特殊な人材になることができますよね。

イノウエ

たしかに、運送業では今後の自動運転などで、解決できそうな課題もたくさんありそうですね。池澤さんの周りにも、2つの軸で活躍するエンジニアさんはいますか?

以前、運送のお仕事をやられていた方が、ある課題に気が付いて「もっとマニュアル化した方が効率化できるんじゃないか」とプログラミングで新しいサービスを作った方がいます。つまり、この業界(IT業界)だけにいても、見えてこない”現場の人しか気づかない課題”も多かったりするんですね。

イノウエ

僕も以前までは、自動車の整備士をやっていたんですけど、現場にいたからこそ感じる課題や、解決するために必要だったことなど、最近になって気付けたことがたくさんありました。

エンジニアリングスキルがあると「こうすれば解決できる!」ってことがわかるんです。
だからこそエンジニアリングと、何かの分野での経験を持っていると、課題と解決方法を結びつけることができるんだと思います。

イノウエ

その点、池澤さんも、タレント活動をしているからこそ見えた課題解決はありますか?

私の場合は課題が見えるというよりは、仕事の幅が広がったり最先端の情報に触れられる機会に恵まれたってことが多いですね。
ありがたいことにタレントのお仕事も、エンジニア関係のオファーをたくさんいただけています。最近では、最新の技術が体験できる工場を取材したり、自動運転の車に乗ってレポートしたり、タレントをしているおかげで、IT技術の最先端をインプット(体験)できる機会をいただけたりしてますね。

イノウエ

それもタレントとエンジニアという軸を2つ持っていることのメリットですよね!

でも自分も最初はタレントとエンジニアの仕事が”重なる”とは思っていなかったんですよ。相乗効果が得られるエリアがあったんだなというのは、こういう働き方をして初めてわかったんです(笑)。

自ら学ばなければならない エンジニアに向く人の共通点

イノウエ

池澤さんは幼いころから美術や工作に興味があったと伺いました。
幼少期からのモノづくりへの興味が、昨今のお仕事にも関係しているんでしょうか?

いわゆるハサミやノリを使う”工作スキル”とエンジニアリングには共点があると感じるんですよ。両方とも「何か実現したいものがあるときに役立つスキル」なんですね。

イノウエ

プログラミングがノリやはさみのような感じですか?

何か作りたい”モノ”という目標があって、それを実現するための手段の1つにプログラミングがあると思っています。

イノウエ

なるほど。近年はエンジニアの需要も高く、世界的にIT化が進む一方で、求められるスキルも変化していると思うんですが、その中でも自分の得意不得意があると思います。
エンジニアのみなさんはどのように学び、変化に対応しているんでしょうか?

エンジニアの仕事って、基本的に勉強が好きじゃないと成り立たない仕事だと思っています。技術の進化が早いので、自分自身の知識も常にアップデートしないといけないんです。以前はこのプログラミング言語を使って開発していたけど、もうこの言語を使う案件が減ってきたから、新しい言語を勉強しないとならなかったりするんですね。

イノウエ

言語のトレンドもあるんですね。

それにデバイスの変化も早くて。PCでWebを見る時代からスマホで見る時代が当たり前になりつつあったり、画面サイズが全く違るものを、デバイスの多様化に合わせて「同じコンテンツをどう表現するか」対応していく必要が出てくるんですね。

イノウエ

エンジニアの方は「スキルや知識が追いつかないと、仕事が減ってしまう」という危機感をも感じているのでしょうか?

仕事が減るというよりも、同じ仕事(案件)ばかりやっていると「将来のつぶしがきかないかも…」という危機感がでてきます。なので将来のために必要な知識をアップデートしていかなければならないんですね。

もちろん今やっている仕事の効率化も図るんですけど、例えば、私の場合はネットワークやサーバ(データベース)の知識が弱いので、そこを強化しつつ、流行りの言語も勉強しながら知識をアップデートするように習得しています。

イノウエ

寝る暇ないくらい、学び続けなければならなそうですね…。

私は「まだ知らないことが、たくさんあったんだー!」みたいな焦りを感じます(笑)。
なので、自分の強みや弱みを見直して、弱点を補い、できることを増やすために勉強を続けることが大切なんだと思います。

イノウエ

つまり勉強が嫌いな人はエンジニアには向かなそうですね(笑)。

お給料が良いからエンジニアに転職をしたいという方は、向かないかなと思います(笑)。
自ら勉強して、知識とスキルをアップデートをしていかないと続かない世界なんです。
学ぶことに楽しさを感じられる、“知識欲”がある人は、エンジニアに向いていると思いますよ。

まだ知らないことを学ぶ楽しさ 課題解決がエンジニアの魅力

イノウエ

池澤さんにとって、エンジニアの魅力や楽しさはどこにあるんでしょうか?

プログラミングを使って”課題を解いていくこと”が楽しいですね。システムに問題が発生して、その問題の解決には何が必要か、仮説を立ててトライしていく、自分の力で解決できるのが楽しいと感じます。

イノウエ

反対に難しさや苦労を感じることはありますか?

めちゃくちゃありますよ(笑)。特に新しいモノを作るときは大変ですね。
自分で企画して「だいたいこんな感じでやればできるでしょ!」ってやってみるけど…実際は全然できないことが多くて(笑)。

イノウエ

全く新しい何かを作る時には、予想外のトラブルはつきものですね(笑)。

そうですね。こんな事は予期してなかったみたいな(笑)。
意外と使えると思っていたアイテムが使えなかったってこともあります。

イノウエ

事前に仮説を立てていても、うまくいかないということですか?

必ず仮説を考えてから実行するんですけど、まだまだ足りなくて。
解決するための手順を書き出したりもするんですけど、全然手順通りいかない…。途中で「これは想定してなかったなー!」みたいな予想外の問題にぶち当たることも多々あります。

イノウエ

でも、今の話聞きながらですけど楽しそうですね(笑)。

楽しいですね(笑)。

イノウエ

池澤さんは予想外の課題に対しても、前向きに取り組んでらっしゃる印象です。
「私には無理だ…」と諦めるのではなく、「どうすれば解決できるんだろう」って切り替えるところが素敵ですね。

確かに大きな壁は多いですね。でもどうにかして乗り越えます。
やっぱり知らないことを学ぶのは楽しいですし、プログラミングで課題が解決できたときの達成感は格別なんです。

イノウエ

大きな壁を乗り越えるために大切にしていることがあったりしますか?

誰か、他の人に聞いて教えてもらうのは大事だと思います。エンジニアをやっていると「他の人には、なかなか聞きづらい」という方も多いですけど、思い切って誰かを頼ることも重要ですね。

イノウエ

それは身の回りの人や、エンジニア仲間さんとかですか?

そうですね、自分の力だけではどうにもできないことも多いので、みんな試行錯誤しながら乗り越えていくんだと思います。

まとめ

自分のライフスタイルに合わせて、タレント×エンジニアというパラレルワークを選択した池澤さん。一見すると無関係に見える2つの軸が絡み合って、池澤さんだけの強みを生み出しているのかもしれません。

自分のなかの知識欲を刺激して新しい道を切り開くことは、職業や働き方にかかわらず現代のビジネスパーソンにとって重要なことでしょう。

次回はエンジニアとしての池澤さんに、AIやIoTで変化する社会についてお話をうかがいます。

<ライティング/Nao @nao8110_writer
<編集/イノウエ>
<撮影/九鬼>

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