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【なぜオンラインサロンに入るのか】繋がりたい人と繋がるだけじゃないオンラインサロンの役割

コト 2020.03.04 by G-lip E 編集部

最近流行のオンラインサロン。日頃インターネットをよく利用する人を中心にじわじわと広がりを見せているオンラインサロンですが、参加したことのない方の中には「なぜオンラインサロンに所属するのかわからない」、「ファンクラブとは何が違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

TwitterやFacebookといったSNSの少し先にあるクローズドなコミュニティであるオンラインサロンは、なかなかその全貌が見えません。

そこで今回は、オンラインサロンに加入する理由をアンケートと経験から紐解いてみました。オンラインサロンとは何か、種類やそれぞれの特徴も合わせてご紹介します。

オンラインサロンとは

オンラインサロンとは、インターネット上の会員制コミュニティのことをいいます。

基本的には、 オンラインサロン内での話をオンラインサロン以外ですることは禁止というクローズドなコミュニティであり、意見の合わない人や話を聞かれたくない人を気にすることなく意見の発信や発言、交流ができるといわれています。
また、オンラインサロンが流行し始めた2014年頃は、堀江貴文さんのサロンに代表される有名人や芸能人が主体となって運営するファンクラブの様なオンラインサロンが大多数でした。

オンラインサロンは、SNSの普及によって「憧れのあの人」と誰でも気軽に交流できるようになったことで、特別感を求める人が増え「限定的に繋がりたい」「特別な情報を得たい」といった欲求に、応える形で生まれたといえます。

現在では一般の方でも、特定のジャンルに専門的な知識や経験のある人やカリスマ性のある人がリーダーとなり、様々なオンラインサロンが小規模的に生まれています。

オンラインサロンの種類

オンラインサロンはその特徴によってファンクラブ型、プロジェクト型、コミュニティ型、講座型の4つに分けることができます。

【ファンクラブ型】
・著名人、有名人が主催するサロン
・サロン外では接点を持つことの難しい著名人と交流できる
・加入者は著名人である主催者のファン

【プロジェクト型】
・企画や目標をかかげ、資金・会員を募集するサロン
・1人では成し遂げることの難しい大きな企画に参加できる
・スキルを発揮できる

【コミュニティ型】
・共通の夢や目標、趣味などを持つ仲間と交流できるサロン
・サークル活動に近い

【講座型】
・主催者が専門的な知識を伝えるサロン
・セミナーやカルチャーセンターの講座に近いが、一般には出ない情報を得られる

出典:(A-port「オンラインサロンとは」

大まかには上記のような分類ができます。しかしほとんどのオンラインサロンは、上記の中で複数の型の特徴を持ち合わせ運営されているんです。

例えば、キングコングの西野亮廣さんの「西野亮廣エンタメ研究所」は、日本最大の会員数を誇るオンラインサロンであり、大きくは講座型で、西野さん普段から挑戦している内容など、主にビジネスに対する限定的な情報がブログの様に毎日発信されています。
また、サロン内では、西野さんが主体となり行っているプロジェクトに特殊スキルを持った方の募集がかかることもあり、プロジェクト参加型であるともいえます。

実際には主催者が著名人の西野さんということもあり、西野さんが手がけるプロジェクトにスタッフとして誰でも参加することができる魅力や、、自身のスキルを活かした仕事を請け負うこともあり、共通の考えを持ったサロンメンバーと同じプロジェクト内で出会うこともあります。

この様な内容から、上記の型すべてに当てはまるともいえます。

そんな、オンラインサロンで人気のジャンルはビジネスや副業系、教養系のサロン。しかし一方で、共通の趣味を持つ人が集まるサロンや「ママどうし」などの同じ属性を持つ人の集まるサロンも盛り上がりを見せています。

オンラインサロンの会費相場

料金は月額課金制で一ヶ月3,000円〜10,000円が相場です。
イベントへの参加は別料金となるサロンや段階的な課金方式をとるサロンなど、運営方法によって異なります。

主なプラットホームはFacebookの非公開グループを用いたクローズドな空間であったり、キャンプファイヤーというクラウドファンディングサイトで行われています。

なぜお金を払ってオンラインサロンに所属するのか

オンラインサロンの大手プラットフォーム「DMM オンラインサロン」では、2019年4月の時点でサロン開設数が500~600、有料会員数は約3万6000人にも上っています。

オンラインサロンで得られるものは情報や繋がり、共有感といった形のないものであるため、3万人以上の有料会員に対して「なぜお金を払ってコミュニティに所属するのか」、と疑問を抱く人も多いかもしれません。

そこで実際にいつくかのオンラインサロンに加入した経験とデータから、オンラインサロンに加入する理由を4つ挙げてみます。

オンラインサロン内で意見やスキルをアウトプットできる場所だから

1つは、オンラインサロンでは自分の興味のあるジャンルで、新たな情報をインプット、意見をアウトプットできることです。

調査によると、『自身の興味があることを気軽にアウトプットできる場があれば人に発表したいと思うか。』という質問には67.3%の人が肯定的な回答をしています。

しかし、『自身の興味がある分野で、話したい事柄がある時に話せる場はあるか。』という質問には「ある」と答えた人が51.7%で、2人に1人が『話せる場を持っていない』と答えています。(DMM オンラインサロン調べ

会社や学校など、リアルで所属するコミュニティでは話したいことを話せない、その場の空気感に合わせてふるまうことは一見寂しいことのように見えますが、人間関係を良好に保つためには自分の意見ばかり主張することもできないため、自然なことかもしれません。

また、興味のある物事について語りたい、話せば理解してくれる仲間と語り合いたいという気持ちは人間の自然な欲求です。また、人と意見を交わすことで理解が深まり、新しいアイデアを得られるなどのメリットもあります。

そのため人気のオンラインサロンでは、主催者が情報を提供するだけでなく、加入者が価値のある情報を提供したり、得意なスキルを発揮したりといった活躍の場があります。

また、朝日生命保険相互会社が2019年に行った「働き方意識調査アンケート」の調査結果によると、20代の21.2%、約5人に1人が上司に対して求めることとして「高い目標にチャレンジさせてくれる」と回答しています。特に若い世代では、会社で自分のスキルを発揮する機会が少ないこともあり、オンラインサロンで会費を支払いながらもアウトプットすることで満足感を得るケースや、会社以外の仕事に繋がるようなステップとして利用する人も多いのではないでしょうか。

このように、「意見やスキルをアウトプットしたい」というニーズと、日常の人間関係と離れたクローズドなコミュニティであるオンラインサロンの相性は非常に良く、オンラインサロンに加入する理由の1つになっていると考えられます。

オンラインサロンで自分の居場所を持てるから

心理学者のマズローが提唱した欲求段階説によると、生理的欲求と身の回りの安全への欲求が満たされると、コミュニティの一員でありたいという『所属欲求』が生まれるといわれています。

その昔、太古の時代には人々は協力しあって外敵から身を守り、獲物を捕らえ、畑を耕してきたといわれており、人はコミュニティを作り助け合わなければ生きていくことができませんでした。

しかし現代では個人主義が浸透しつつあり、コミュニティをさほど重視しない人が増えました。地域社会や会社での付き合いが希薄な環境は、人間関係のしがらみに囚われることが少なく気楽である反面、孤独感を抱いたり『居場所がない』と感じる要因となります。

オンラインサロンは「マナーを守れる」「サロン内でのやりとりを外部にもらさない」といった簡単な入会資格をクリアすれば誰でも所属することができます

また、対価として会費を支払うことで安心できる居場所として認識できるという点でも、所属するコミュニティの1つとしてオンラインサロンを選ぶ理由となっているのではないでしょうか。

オンラインサロンの閉鎖的空間でつながりたいから

近年、インターネットに対する考え方が変わってきたこともオンラインサロンに加入する理由の1つと考えられます。

インターネット=仮想現実という時代は終わり、現代はサブリアルともいえるオープンな 場所となりました。例えばツイート1つにとっても「世界に公開されている」という認識を持つ人、インターネットリテラシーの高い人が多くなっています。

日本ではTwitter利用者の7割以上が匿名利用であり、他国と比較してSNSを匿名で利用する人の割合が多いものの、そのうち約6割が「人物を特定される可能性」の有無を認識しています。

(参考:総務省 平成26年版 情報通信白書

インターネット上をオープンな場所と認識することで、「批判されるのを避けたい」という気持ちもあわせ持つようになるため、「限定的なつながりの中で信頼できる人だけに話したい」というクローズドコミュニティへの感情を自然と持つようになります。

炎上のリスクや意見の合わない人からの反応を気にせず、井戸端会議のような気軽さで話せる場所を求める気持ちから、オンラインサロンに加入する人も多いでしょう。

オンラインサロンのような空間に親和性を重視する人が増えたから

誰もがインターネットやSNSを利用できるようになったことで、テレビや新聞などから一方的に与えられる情報ではなく、個人の嗜好に合わせて選ぶパーソナルな情報の需要が高まっています

例えば、物を購入する際にも膨大な商品の中から選ぶことになるため、「いかに自分に合っているか」「自分の好みや価値観と親和性があるか」といった点が重要となってきます。

そこで自分の好きな、あるいはロールモデルとなる著名人やインフルエンサーなど、信用をおく人を情報元として絞ることで、その商品が本当に自分が求めているモノなのかを効率良く判断することもできるのです。

「著名人やインフルエンサーの使うモノや価値観を通して、自分に合った情報を得たい」というニーズに対して、主催者と距離の近いオンラインサロンはぴったりの場所といえるでしょう。

まとめ

インターネットが普及したことで、新しいコミュニティの形として生まれたオンラインサロンですが、まだまだ一般的とはいえません。その為、将来的にはオフラインと同様に複数のコミュニティに所属することが当たり前になる可能性もありますよね。

私自身も小規模なオンラインサロンに所属した経験がありますし、編集部イノウエは「西野亮廣エンタメ研究所」に所属していました。

今後加入者・主催者が多くなれば、より洗練され、オンラインサロンの形も変化してくことで、今後どのような流れを辿っていくのか、時代のニーズを直接反映するオンラインサロンへの注目が高まります。

<編集/イノウエ>

<ライティング/わたやみき@misaki_wn

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